編集部より

2012年技能五輪全国大会に向けても

ORION オリオン機械

果樹園に囲まれた広い敷地、フラットなORION本社の建物群が秋の日差しを浴びて輝いていました。玄関先の子牛の置物と名刺の裏にに印刷された「3-A-DAY」のマークは、搾乳機をはじめとする酪農機器のメーカーのイメージとぴったり重なりました。ハードと、牛乳の消費推進というソフトの両方から「酪農」を支えている企業の姿勢が伝わってきました。

太田社長からは、須坂市に本社をおく企業トップの、広い視野と中長期の時間軸の上に立ったお話を伺うことができました。

「『ものづくり』といえば、鉄工所のイメージが強くてね。でも、『技術』、『技術』なんですよ。」「経済の基盤は、観光もあるけれど、工業も大切。須坂工業倶楽部も立ち上げました。須坂にはもっと知って欲しい企業がたくさんありますよ。」「須坂市の産官学の取り組みも取り上げて欲しいなあ。」「それから教育、地元の高校に工業科が欲しい。中学や高校での技術や理科の授業を充実も大事です。」強い信念が伝わってきました。

お話は、2012年技能五輪全国大会の長野県開催にも広がりました。

「冷凍機の配管技術のジャンルが(技能五輪全国大会の)種目にあることを知り、この種目に我が社でも2012年に参加することにしました。」技能五輪全国大会の競技種目は本当に多岐にわたっています。配管技術の競技もつい最近加わった一つだそうです。内容は、冷凍機の技術開発、製造、保守修理をひとりで担当するもの、分業化が進んでいる中、ひとりでこの技術の収得は本当にたいへんだとか。まさしく『技術』です。

「23歳以下という年齢制限、技能五輪の準備に専念できる環境を作ることは、たやすいことではないが、是非やってみたい。ひとりで冷凍機の設計・工作・メンテができたら、経営を任せられるくらいですよ。」

前に進む大きな力をいただきました。

(2008年9月12日)