編集部より

米国のスポーツ文化を支える技術

ライト光機

オペラグラス、双眼鏡、ライフルスコープ、私には、なかなか縁がない製品です。特に、ライフルスコープは、初めて。諏訪市のライト光機製作所に伺いました。外国からのお客様がお帰りになったばかりという夕刻に、岩波社長にお時間いただきました。

ライト光機の主力商品は「ライフルスコープ」、遠く離れた標的に向かって、照準を合わせライフル銃で正確に撃ち抜くための望遠鏡です。米国で人気の、「ベンチレストシューティング」というライフル銃の射撃競技があります。全米の大会で上位にはいる選手のほとんどは、ライト光機製作所のスコープを使っているそうです。OEM生産であるにもかかわらず、ライト光機製作所の社名は、米国でも有名とか。どうしてですか?と尋ねたところ、ファンの方が、インターネットで製造元のライト光機の名前を見つけて、有名になったのですと、岩波社長が、嬉しそうに話してくださいました。

製品は米国の富裕層向けた「何万発打っても照準がずれない」高級品。今のところ景気後退の影響を受けることもなく、米国での販売は好調を維持、もちろん国内シェアはトップです。

応接室のケースに並んだライフルスコープの数々は、無駄のない形、軽くて手にした感触もなめらかです。性能云々はとてもわかりませんが、海の向こうで銃を使ったスポーツ文化に貢献している技術が日本の諏訪にあると考えると、思わず口元がゆるんでくるような気がしました。レンズの技術とともに、発砲時の衝撃に耐える部品の組み立て技術が、ライト光機の要の技です。この技術をこれからどの分野で生かしていくのか、若い岩波社長は、大きな設計図に取り組まれているのでしょうね。

「このごろ、地域の方々にもライト光機が何を作っている会社か知って欲しいと思うようになりました。」という社長の言葉を胸に、心地よい緊張感が残っている工場を後にしました。

(2008年8月28日)

「おもしろいじゃないか」

野村ユニソン

「これまではClosedでよかったかも知れないが、もっと発信する、知られる努力が必要ではないかと思っています。」鈴木取締役の言葉に、こちらも思わず大きく頷いてしまいました。どうぞ、「Sai+」をお使いください。

野村ユニソンの技術は、金型や鍛造の伝統的な分野から、液晶、半導体関連装置を初めとする先端技術まで幅広く、製品は、オーダーメイド品から、量産品に至るまで、相手先のニーズに応えたもの、技術の開発にも積極的です。でもそればかりではありません。冬期の水道凍結防止帯節電装置「節電太郎」、泳げるサンダル「マイフリッパー」など、消費者一人一人に届くアイディア豊かな商品もここ野村ユニソンの製品です。

さまざまな分野で、新しい発想を得て新しい製品が生まれる、その発想の源はどこから生まれるのでしょう?

「それは、創業者から受け継がれたものですね。」またまた、耳が大きくなりました。「面白そう、これができませんか」という声に、「おもしろいじゃないか」と頷いて耳を傾ける環境が創業時からあるのだそうです。社員の提案に、一緒になって興味をもってくれる経営の姿勢が、次の「面白そう」を育て、仕事へのモチベーションを高めていく。「個人の創造力」が社の未来につながる実感、これが野村ユニソンの「ものづくり」DNAです。 この環境で、大きな柱になろうとしている一つが酒類販売、「ワイン」を中心とした事業です。変化する時代をとらえた新分野への挑戦です。ワインの話題は、取引のコミュニケーションツールとしても、とても大きな力なのだそうです。お酒の話題は、人と人との親近感を醸成するのですね。

「おもしろいじゃないか」またまた、そんな声が聞こえてきました。器の大きさに感動です。

(2008年8月28日)

ガソリンスタンドが違って見えます

エムケー精工

家庭用の餅つき機、パン焼き機、電子レンジなど身近な生活関連機器に加え、ガソリンスタンドでも、こんなにエムケー精工さんにお世話になっていたこと、今まで全く知りませんでした。給油時のポンプから始まって、エンジンルームの確認から、オイル交換、洗車等々、どこかの技術ではなくエムケーさんの技術にお世話になっていたんです。そして、忘れてならないのはあの「営業中」というLEDの看板、全国どこに行ってもエムケー精工製とか。その「営業中」の看板の技術が、フルカラーになり、高輝度になり、動画表示もと進化して、長野駅前での大画面放送も可能にしたのです。

エムケー精工は、板金加工技術からスタートした会社ですが、現在の商品分野は3つ、生活機器、オート機器、情報機器にと広がってきています。

丸山社長は、「いろんな要求がお客さんから来るのです。これはできないか、こんなものを作ってくれないかというお客さんに引っ張られて広がっていったのです」とおっしゃいます。ニーズに応えてくれる「エムケー精工の技術」があればこそ、持ち込まれるお話。そのベースにある、人対人の信頼と誠実の関係、それをさらりとおっしゃるトップの言葉です。

様々な「声」に耳を傾け、方向を見極めながら決断する、決断のための研究開発や、そのための人材育成にも力を注ぐ、「強い中堅企業を目指す」エムケー精工です。 町のガソリンスタンドが、ますます身近になりました。

(2008年8月25日)

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