編集部より

考えて、考えて、考えて56年

小松精機工作所

諏訪の地に創業して56年を迎えるという小松精機工作所です。応接室でまず目に入ったのは、国旗と地球儀。

「この部屋は普段は使っていないのですよ」そうおっしゃって小松社長の話が始まりました。

「企業の寿命は現在7年〜8年。長生きすれば良いというものではないし、56年はまだまだ立派な年月ではないが、困ったときに細い1本2本の事業活動が繋がって今日がある。人員整理を行わずに来れた」「企業としては経済的保障をきちんと行い、誇りを持って仕事をする、それらを継続することが大事」

今日を築かれた思いの熱さが、部屋の空気を動かします。

「錐をもみ続けなさい、煙がでてくるかもしれない」「実は下請けから脱皮したかった。今はパーツサプライヤーといっているんです」

社長の目がいたずらっ子のようにきらっと光りました。

「そしてね、その前にビッグとか、スーパーとかつけたいんです」

なるほど、この一言が誇りを育てていくんですね。

「月に一度の朝礼、僕は遺言だと思って聞いてほしいと言っています。出る杭は打たれる。ただし、固い岩盤に打ち込んだ杭であれ。とかね」

国道沿いの入り口には「諏訪精工舎協力工場」の文字を肩に乗せた社の看板があります。何度も強調されていた時計作りのDNAとセイコー社への感謝の思い、そしてそれより少し大きな社名がスーパーパーツスプライヤーである今日の小松精機製作所を象徴しています。

製品への信頼は、この視線が支えます。

工場内の笑顔に見守られて、リズミカルに孔があけられます。

(2008年7月24日)

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