[サイプラススペシャル]222 市販車をくつろぎの空間に変える「夢工場」 ハイブリッドカーをキャンピングカーに改造

長野県長野市

かーいんてりあ高橋

キャンピングカーと言うと、8ナンバークラスの大型車を想像する方が多いかもしれない。しかし長野市にあるかーいんてりあ高橋は、1BOXなどの一般車をベースにキャンピングカーを製作している。今回新たに開発したのが、ハイブリッドカーのプリウスをベースにしたキャンピングカー。大人4人が横になれる広い空間と、燃費の良さを両立させた全く新しい概念の車だ。

取材後記

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長野県のキャンピングカー第1号

「お客様に喜んでいただけるような、キャンピングカーを作っていきたい。」と語るのは、社長の髙橋宣行氏(53歳)。かーいんてりあ高橋は、髙橋社長が24歳の時に創業。当時はキャンピングカーの市場が国内にほとんどない時代だったが、「車の中で横になれる空間を作りたい」という目的でオリジナルのキャンピングカーを製作。陸運局に持ち込んだ際に担当者から「これは何?」と言われた車が、長野県のキャンピングカー申請登録第1号となった。


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ハイブリッドカーをキャンピングカーに

かーいんてりあ高橋が新たに開発したのが、この「プリウスリラックスキャビン」。ハイブリッドカーのプリウスをベースに開発したもので、屋根部分にFRP製のシェルを乗せているのが特徴だ。髙橋社長が「これだ!」と頭で閃いたものを、模型に粘土づけをして原型を象った。一番苦労したのが型づくりと重量配分で、開発に2年を要したという。


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フレームカットをせず剛性を保つ

改造の際本体はハッチ部分を外しただけで、ボディ部分は一切フレームなどをカットしていないため剛性が保たれている。シェルを乗せることで、上下のスペースに大人4名が横になって寝られる空間を作り出した。またハイブリッドカーは、燃費の良さに加えてバッテリーに蓄えた電源を供給できるという点でもメリットが大きい。長距離ドライブだけでなく街乗りにも使えることが、今までのキャンピングカーとの大きな違いだ。


ワンボックスタイプも人気

かーいんてりあ高橋の主力商品は、1BOXカーをキャンピングカーに改造したもの。「リラックスワゴン」と呼ばれるこのタイプは、7年間で1000台を販売した人気シリーズだ。通常のキャンピングカーには8ナンバーが多いが、このタイプは3ナンバー。標準装備も充実していて、まさに「移動するマイルーム」だ。

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更に夢のある車づくりを目指して

髙橋社長の夢は、キャンピングカーは価格が高いという概念を打ち破ること。「このプリウスリラックスキャビンをきっかけに、キャンピングカーを使ってくれる人が増えてくれれば嬉しい。」と語る髙橋社長や社員たちが、更に新しい発想で次の車づくりにチャレンジしていくに違いない。

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【取材日:2013年04月18日】

企業データ

有限会社かーいんてりあ高橋
長野県長野市真島町1551-1 TEL:026-285-6390
http://canp-inn-japan.com/