[サイプラススペシャル]230 JAXAにも認定を受けた高周波同軸コネクタを製造 信州産人工衛星開発にも参画

長野県安曇野市・麻績村

ワカ製作所

ワカ製作所の本社は東京だが、2つの工場は長野県にある。現在の主力製品は高周波同軸コネクタで、その性能の高さが認められて国内で初めてJAXAから認定を受けた。安曇野市にある松本工場で切削加工された部品を、麻績村にある麻績工場でひとつひとつ手作業で組み立てる。新たに開発を始めたリチウムイオンバッテリーは信州産人工衛星にも採用され、今後一般市場への参入を目指している。

取材後記

信州の2工場が生産拠点

「当社の製品は部品から完成に至るまで、一貫して自社工場で製造されています。」と語るのは、2つの工場を統括する工場長の清水毅彦氏。ワカ製作所は昭和33年に創業。初代社長の父親の出身地だった縁で、昭和39年に工場を麻績村に建設。それ以降昭和48年に建設した安曇野市の松本工場と合わせて、常に長野県内に生産拠点を置いている。かつてはオーディオやVTR部門を得意としていて、ピンジャックや携帯型カセットプレーヤーに使われるモーターコイルで業績を伸ばしてきた。

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JAXAにも採用された同軸コネクタ

現在の主力製品は同軸コネクタで、特に高周波の分野においては国内でもトップクラスの技術力を誇る。この実績が認められて、今年3月にJAXA(宇宙航空研究開発機構)の認定を受けた。JAXAに納品される製品は、専用の製造ラインでパーツ製造から組み立てと検査までを一貫して専任スタッフが行っている。これを契機に航空宇宙分野は勿論、医療分野へも進出を目指している。

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ひとつひとつ手作業で仕上げる

同軸コネクタの部品は松本工場で製造され、麻績工場に運ばれ手作業で組み立てられた後検査を経て出荷される。この工程で活躍するのが、熟練した技能を持つ女性スタッフたち。100分の数ミリで位置決めを行う微細な半田付け作業も、黙々と入念に仕上げていく。多品種少ロットに対応するために治工具もオリジナルで作成するなど、長年の経験に基づいた高い技術力が高性能の製品開発を支えている。

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人工衛星開発にも参画

松本工場で新たに開発に取り組んでいるのが、リチウムイオンバッテリー。まだ市場には本格参入していないが、長年蓄積してきたノウハウを活かして開発が進められている。このバッテリーシステムが、信州大学と県内企業が手掛ける信州産人工衛星「ぎんれい」に採用された。宇宙という過酷な状況下でも耐久性を備えたバッテリーを開発すべく、現在も研究が続けられている。

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更に高周波の領域を目指す

現在は最大110GHzに対応する高周波の同軸コネクタを製造しているワカ製作所だが、将来は140GHzにまで対応する製品づくりを目指している。「今後ミリ波の製品は活用される場面が期待されるので、将来を見据えて他に先駆けて開発していきたい。」と語る清水工場長。熟練技工士による緻密な作業で生み出される高周波同軸コネクタは、更なる性能の向上によって新たな分野での活躍が期待される。

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【取材日:2013年6月24日】

企業データ

株式会社ワカ製作所 松本工場 安曇野市明科七貴6043-17 TEL:0263-62-2643
麻績工場 東筑摩郡麻績村麻4590-1 TEL:0263-67-2174

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