[サイプラススペシャル]233 世界初!家庭用の「真空ジュースミキサー」 真空だからプレミアムなおいしさ

長野県松本市

テスコム電機

プロから支持され業務用ドライヤー・トップシェア!
新開発のジュースミキサーの実力は?

 ヘアドライヤーや、ヘアアイロン、トリマーなど美容室で使われる「Nobby(ノビィ)」ブランドは、プロの美容師たちに支持され業界トップシェア。大手家電メーカーがしのぎを削るジューサーやミキサーでも国内販売数量トップシェアを誇る、それが信州松本でものづくりを続けるテスコム電機だ。
 そんなテスコムが「世界初」という新商品を開発した…というので、取材させていただいた。伺ったのは、信州まつもと空港そばの工業団地にできたばかりの新工場。一体どんなスゴい商品なのだろうか?

生ジュースメーカーに革命!?「真空」でおいしく健康に

上質なオリジナル生ジュースを「家庭でつくりたい」

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 「これは真空のジュースミキサー。家庭用では世界初です」
 テスコム電機・製造部生産管理課の植松遥さんが手にするのは、一見普通のジュースミキサー。この真空ジュースミキサー「TMV1000」は、ボタン一つでカップ内を真空状態(約0.3気圧)にすることで、食材の酸化を防ぎながらミキシングできるのが大きな強みだ。
 とはいえ実勢価格は2万9800円と、普通のミキサーのおよそ10倍の高級品。それほどまで違いがあるのだろうか...。

 まず驚いたのは、できあがったジュースの色鮮やかさだ。今回はフルーツにホウレンソウを入れたミックスジュースを作っていただいたのだが、明らかに普通のミキサーに比べTMV1000は、グリーンが際立つ。味も、同じ素材とは思えないほどすっきりとしていた。空気の泡立ちや分離もなく、より飲みやすい。


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 「健康志向から、上質なオリジナル生ジュースを家庭でつくりたいという声が高まっている。真空にすることで、果物の持つ栄養素を壊さず、しかものどごしが良い」と、テスコム商品戦略部の谷内治部長。TMV1000にはジュースミキサー本体に加え、真空保存可能なボトルが付属する。谷内部長によると、従来のジュースミキサーで作ったものと比べポリフェノールが約3.2倍残り、真空状態で保存した場合ビタミンCも約15%多く保存できるという。


きっかけは「宇宙」!?

 なぜ「真空」という発想が生まれたのか?
 テスコム電機で開発を担当した金森秀一郎さんは「きっかけは宇宙。宇宙空間だと空気がないから酸化しない、そこから『空気を抜いてしまえ!』と気が付いた」と語る。

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 「真空にすることでおいしく飲めるし、ミキサーなので素材の良さを丸ごと取れる。苦労したのは、小型化。空気を抜く機能をコンパクトにまとめ、しかもボタン一つでカンタンにジュースが作れるようにするのに苦労した。」

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「ほしい」を形にするテスコムの開発力

世の中が「あっと驚く」ものをつくりたい

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 「大手にはできない小回りの利いた開発スピードと、圧倒的シェアだからこそ集まるお客さまからの声が強み」と話すのは、テスコム楠野寿也社長。
 1965年創業のテスコムは、およそ半世紀にわたり美容家電を中心とした専業メーカーとして市場をリードしてきた。


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 「カールドライヤーってあるでしょ。1970年代、家庭用をいち早く開発したのはテスコムなんですよ。人気が出るとすぐに大手からも発売されますが、私たちはまた新しい商品をつくっていく」と、楠野社長。90年代には業界初の「マイナスイオンドライヤー」を開発し、一大ブームを巻き起こした。ほかにもテスコムの開発の歴史には「業界初」の商品が多い。

 「『こんな機能があったら便利』というお客さまからの声が開発の原点。世の中があっと驚くような商品をつくり出していきたい。」国内No.1シェアは、業務用ドライヤーだけでなく、ジュースミキサーの分野でも8年連続国内トップシェアを維持。信州松本の地で培った、女性目線のものづくりのワザが世界初"真空ジュースミキサー"の原点だ。

新工場完成!「独自性」の中心基地に

 「これまでにない新しい商品だからこそ、製品化には技術的に高いハードルを乗り越えなくてはいけない。当然、品質管理も高いレベルが求められる。」それを支えているのが、松本工場の技術だ。
 テスコムは国内全2カ所の製造拠点が松本市筑摩にあり、工場内では業務用ドライヤーの組み立てのほか、海外で作られた製品の品質チェックなどが行われていた。「『テスコムだから安心だね』というユーザーの声が何よりうれしい」と、テスコム電機工場長の山内武生工場長。

 信州まつもと空港にほど近い臨空工業団地に、テスコム電機の新工場が完成した。白を基調とした社屋に、深紅の「TESCOM」のロゴが映える。鉄骨3階建て延べ約8930平方メートルの建物で、8月から稼働予定だ。技術開発や品質管理、業務用ドライヤー製造などを集約し、技術開発やアフターサービスの効率化を図るという。
 多くの商品を海外生産しているテスコムだが、楠野寿也社長は「新工場は、テスコムのものづくりの中心基地。独自性のある商品を投入するための開発力を新工場で高めたい」としている。

 2012年9月期の連結売上高は前期比約9億円増の約120億円。5年後をめどに売上高150億円を目指すテスコム。「美容・調理・健康」分野で、これからも新たなヒット商品を松本の地から生み出していく。


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【取材日:2013年7月18日】

企業データ

テスコム電機株式会社 松本工場
長野県松本市筑摩4-1-20 TEL:0263-26-4870
http://www.tescom-japan.co.jp/