[サイプラススペシャル]251 「乱れづくり製法」で生み出される手もみ風の食感 自然豊かな開田高原でそばを製造

長野県木曽町開田高原

霧しな

御嶽山の麓に広がる、木曽町の開田高原。この自然豊かな環境で、そばを中心とする麺づくりをしているのが霧しなだ。「乱れづくり」と呼ばれる独自の製法で作られた乾そばは、手もみ風の食感でつゆが絡みやすいと評判だ。地元長野県のそば粉を原料に活用するなど、地域との連携も大切にしている。

取材後記

探し求めて辿り着いた「開田高原」

霧しなは山梨県にあるはくばくグループが、そば生産の拠点として平成4年に設立した会社だ。そばの本場である信州で本社と工場の候補地を探し求める中で、最終的に決めたのが自然豊かな旧開田村(現・木曽町開田高原)だった。当時の村長や地元住民の協力を得て、御嶽山の麓の原野を開墾して作られた。

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決め手は「原料のそば」と「超軟水」

「この開田高原には、そばづくりに欠かせない要素が揃っています。」と語るのは、社長の山田雄彦さん。原料となる良質な玄そばの収穫地であることは勿論だが、この地で採れる水は超軟水と呼ばれるもので素材の味を生かすのには最適だという。敷地内の3か所の工場で、そばを中心とする生麺・半生麺・乾麺を製造している。工場内には試食スペースや自社製品の販売コーナーも設けられていて、年間3万人が見学に訪れている。

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美味しさの秘密は「乱れづくり」

霧しなの乾麺の最大の特徴が、この「乱れづくり」と呼ばれる特許を取得した独自の製法。麺に凹凸をつけることで、乾麺でありながら手もみ風の食感が味わえると評判だ。また麺がつゆに良く絡むことで、味わいもより生麺に近いバランスとなるという。県内外の量販店でも販売されていて、霧しなの主力製品となっている。

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半生麺でも「そば湯が飲める」

生麺は「お取り寄せ」と名付けられた、開田高原産のそばを使った逸品。主に贈答用や年越しそば用に需要があるという。半生麺はそばに含まれる菌の数を減らした独自の「減菌製粉技術」で作られていて、保存料を使用していないため常温で3ケ月日持ちするうえに、そば湯も飲める本格的なものだ。

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「信州そば」ブランドの向上を

信州そばのブランドをいかに高められるかということが、霧しなにとって大きなテーマのひとつだ。地元の開田高原では地域と連携して遊休農地の活用を図るなど、地域振興に貢献する活動もおこなっている。また原料となるそばの確保を県内各地の生産者にお願いするとともに、それぞれの生産地で採れたそばを原料とした製品を、その地ごとのブランド品として生産者の販路を活用して販売してもらうという6次産業化を進めている。

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【取材日:2013年11月20日】

企業データ

株式会社 霧しな
長野県木曽郡木曽町開田高原西野5227-121 TEL:0264-44-2341
http://www.kirishina.jp/