[サイプラススペシャル]266 自社ブランドの家電と電設工具で世界に発信 再生から新生へ

長野県松本市

泉精器製作所

 松本市にある泉精器製作所は、シェーバー・ドライヤーなどの小物家電製品と送電・配電・内線といった分野の電設工具を2本柱にIZUMIブランドで設計から製造まで手掛け国内はもとより世界に向けて製品を供給している。
平成21年に民事再生法の適用を申請したが翌年には複数の企業の支援を受け家電事業と工具事業を柱に再建へのスタートを切った。長年培ってきた精密加工の技術を活かし現在は電設工具の分野で国内トップシェアを誇る企業に成長している。

取材後記

設計から製造まで自社で対応

志摩社長

現会社の前身である泉精器製作所は昭和19年に東京で設立され疎開により松本市に移転。 昭和31年に電気かみそり用刃の製造を始め、同37年には電設工具を開発し電力会社などに供給を開始した。

その後、香港や中国に家電製品の製造拠点を置くなど海外にも進出しているが電設工具の分野は一貫して松本で開発と製造を行っており、設計から製造まで自社で対応することを基本にしている。


3種類のシェーバーの刃を製造できる国内唯一のメーカー

シェーバー・毛玉取り機

往復式、ロータリー式、回転式の3種類あるシェーバーだが全ての刃を生産できるのは国内では泉精器製作所だけだ。IZUMIブランドとしてまたOEM製品として国内外に供給している。電気カミソリのほかにもヘアードライヤーなど美容製品も製造しているが、毛玉取り器はヒット商品で国内トップのシェアを持っている。


バッテリー搭載型の充電油圧式電設工具

電設工具

送電、配線電など電気工事全般に使用される電設工具だが、国内シェアトップの確固たる地位を築いている。

平成元年には世界初となった充電油圧式電設工具E―Roboシリーズを開発し販売を開始した。長年培ってきた精密加工の匠の技術がベースにあり大口径の電線ケーブル切断などの際に必要な高出力を生み出せる安全で超高圧技術の製品となっている。


「お客様から必要とされ、喜ばれる企業」に

泉精器製作所の主力製品となっている「電気カミソリ」と「電設工具」は今日まで多くの人々に愛され使用されてきたが志摩社長は今後とも魅力ある製品の開発・提供をめざし競争力ある「だんとつ」商品を造りたいという。

そのために「企業は人なり、モノづくりは人づくり」を基本にすえ、三現主義(現場で、現物で、現実的に)を大切にして技術を積み上げ人材育成をしていく方針だ。

製造現場

地域との結びつきを深める

「新生泉精器製作所が誕生して4年が経過し、再生から新生へと踏み出す時期に来ている」と志摩社長。今シーズンから新たに松本山雅のスポンサーにもなる予定で「松本に"泉"あり」、「長野県に"泉"あり」と力強く事業展開を図る方針だ。

YES!

【取材日:2013年03月04日】

企業データ

株式会社 泉精器製作所
長野県松本市大字笹賀3039 TEL:0263-58-1123
http://www.izumi-products.co.jp/