[サイプラススペシャル]272 オリジナル製品開発でパラダイムシフトを生み出す 手にはめたままで手袋を除菌

長野県箕輪町

ワークソリューション

食品加工現場などで使用される手袋は、新品であっても雑菌が付着している場合がある。またノロウイルスなどを伝播する食中毒も、この手袋が除菌されれば防止できる。これに目を付けたのが箕輪町にあるワークソリューション。手袋を手にはめたままで除菌する装置「ソルパット」を開発した。創業以来アウトソーシング業務を行ってきたが、この装置開発をきっかけに自社の製造ラインも立ち上げる予定だ。

取材後記

手袋の衛生面に着目

「使い捨ての手袋は、ほとんど海外で製造されている。その衛生面に疑問を感じた事と、自らがノロウイルスによる食中毒に遭いその辛さを体験したのがきっかけでした。」と語るのは、社長の荻原真二さん。実験してみたところ、新品の手袋にも多くの雑菌が付着していることが分かった。これを除菌するため新たに開発したのが、除菌装置「ソルパット」だ。

荻原社長,手袋

手にはめたままで手袋を除菌

最大の特徴は、手にはめたままで手袋を除菌出来る事。紫外線殺菌は近年問題となっているノロウイルスおよび二次汚染の原因菌全てに効果があり、食品には害を及ぼさない。さらには底の部分に取り付けられたファンによって、空中に浮遊している雑菌も除菌し作業環境を向上させている。手袋を除菌する時間は何とわずか4秒。手袋自体は紫外線を99%以上カットする為人体への悪影響も無い。

ソルパット,手元アップ

過去の経験を開発に生かす

製造工程

ワークソリューションは、2006年に荻原社長が創業。ソルパットの開発は以前メーカー勤務で製造のノウハウがあった荻原社長と、食品関連業務の経歴を持つ嶋田さんの経験を生かして生み出されたという。手袋と手を別々に除菌する装置はあったが、同時に除菌する装置は今までなかった。まさに「コロンブスの卵」の発想で生まれた製品で、何件かの特許も取得している。


除菌の履歴もデータに保存

ただ除菌するだけでなく、ソルパットは差し込んだUSBメモリーに除菌の履歴を保存して、それをデータで管理することが出来る。本体から抜いてパソコンに差し込んで、データをソフトに保存(常時送信するバージョンも有)。厳しい衛生管理が問われる医療や食品分野において、データを見える化できることが大きなメリットだ。

USB,パソコン画面

自社の製造ラインを立ち上げ

これまではアウトソーシング業務を中心に行ってきたワークソリューション。「ソルパット」の開発をきっかけに、自社の製造ラインを立ち上げるべく準備を急いでいる。食品加工分野に止まらず医療部門への進出も目指していて、市場の拡大と製造部門の強化を同時に推し進めている。

YES!

【取材日:2014年03月07日】

企業データ

株式会社ワークソリューション
長野県上伊那郡箕輪町中箕輪8945-6
http://www.worksolution.co.jp/