[サイプラススペシャル]275 リチウムイオン電池の製造装置で国内外から注目 顧客からの要望は断らない経営姿勢

長野県上田市

長野オートメーション

上田市にある産業機械の設計・製造を手掛けている長野オートメーションは電気自動車や燃料電池で動く自動車など環境に優しい車に載せる車載用リチウムイオン電池などの製造装置で国内外のメーカーから注目されている企業だ。
機械設計でスタートした同社だが、現在は顧客からの依頼を受けて精密機械と自動化機器の設計・製作にとどまらず新しい製造システムの提案まで行っている。

取材後記

顧客からの要望は決して断らない。

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代表取締役 山浦誠司

同社はお客からの要望はコストでも納期でも少し無理なことでも決して断らない経営方針を貫いている。また新しい得意先から「こんなことができたらいいができないか」などの問い合わせに対しても同じ方針で対応している。
NOと言わず要望をどうしたら解決できるか社内で試行錯誤をする繰り返しが同社のステップアップに繋がっている。
「こういうものを作りたいが」あるいは「こういう生産設備をつくりたいが御社で検証できないか」など実証テストを希望する要望が多くなり、本社社屋が手狭になったこともあって現在新しい開発棟を施工中で今年中には完成の見込みだ。


今年は燃料電池元年

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地球環境を考えるとこれからの自動車は「電気自動車」と「燃料電池自動車」が主流となっていくと山浦社長は言う。
従来の「鉄」と「アルミニウム」を組み合わせたエンジンから「フィルム」と「薄い板金」を精度良く組み合わせたエンジンに変わっていくという。
こうした自動車の心臓部の部品になるのが「燃料電池」や「リチウムイオンバッテリー」の生産設備だ。
マンガンからニッケルや水素と電池の材料となる金属は変化してきたが、いままで苦労してきた電池づくりの経験とノウハウがリチウムイオンバッテリーの生産設備をつくる上で大きな力となっている。

喫緊の課題は人材のパワーアップ

電池で培った経験とノウハウは優秀な人材づくりにもつながっている。 「社にとって喫緊の課題は技術力と営業力の両面で人材のパワーアップすることだ」と山浦社長は言う。

共同で受注できるネットワークの整備

地方の中小企業が大手などから継続して受注をとり企業として生き残っていくには地域で共同で受注できる企業間のネットワークづくりが重要なことだという。
景気には波があり受注が伸びて設備投資をして完成稼働したら受注が落ちることはよく聞く話である。良いときも悪いときもお互いに連携して受注しリスクを軽減するのが狙いだ。
「活況を呈している自動車関連のニーズをしっかり取り込むためにも地域のネットワークづくりを進めたい」という。

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【取材日:2014年4月24日】

企業データ

長野オートメーション株式会社
長野県上田市下丸子401番地 TEL:0268-42-6835
http://www.nagano-automation.co.jp