[サイプラススペシャル]277 紙のメリットを生かして新たな分野を開拓 段ボールでバイク・カメラを製作

長野県岡谷市

林紙器製作所

大正14年の創業以来、多種多様な紙製品を製造してきた林紙器製作所。お菓子の貼箱や化粧箱をはじめ、工業製品の梱包に使われる段ボールなど多数のアイテムを持つ。近年では段ボールで出来た一眼レフカメラやキックバイクなどを設計・製造するなど、箱以外の分野にも領域を広げている。

取材後記

紙一筋に89年

「パッケージは商品の顔でもある。最初に目にするものなので、中身に負けないくらい良いものでなければならない。」と語るのは、矢島貴さん。大正時代から90年近く続く、この会社の四代目社長だ。創業以来長年に渡って紙を取り扱ってきた経験を生かして、紙の状態から完成品までを一貫生産して取引先に良質な紙製品を提供している。


様々な貼箱や化粧箱を製造

倉庫に所狭しと積み上げられたこの箱は、地元諏訪地域の代表的なお菓子の化粧箱。このようなお菓子の貼箱をはじめ、宝飾品の化粧箱や工業製品の梱包用段ボールなど領域は幅広い。形や素材にこだわってより良いものを取引先に納品することで、地元を中心に長年の信頼関係を築いてきた。近年では、箱でないものを紙で作る取り組みもはじめている。

子どもでも簡単に組み立てられるキックバイク

その代表作が、段ボールで出来たこのキックバイク。組立が簡単なうえに、重量が軽いため小さな子どもでも取り扱いができることが大きな特徴だ。また紙なので自由に色を塗ることで自分だけのオリジナルバイクにも出来る。矢島社長自らが設計を手掛けたこのバイク、現在親子を対象にした工作教室などを開いていて反応も上々だという。

何と!カメラまで紙で製造

キックバイクに先立って作られたのが、このカメラ。現在はデジタルカメラが主流となっているが、以前のフィルムカメラと同じ感光式で出来ている。精密機械の製造で発展を遂げてきた地元諏訪地域の子供たちを中心に、カメラの原理を知ってもらうことを目的として作られたものだ。


「紙」で作れるものを更に増やしたい

矢島社長も、「紙器製造は工業・食品・農業など、様々な業種に対応できる。今後も取引先への提案力を高めていきたい」と意欲的だ。『低コスト』で『加工しやすく』『親しみやすい』など、紙という素材は無限の可能性を秘めている。カメラやキックバイクに続く新製品の開発も進めていて、将来どんな新しい紙製品が生まれるのかが今から楽しみだ。

【取材日:2014年05月28日】

企業データ

株式会社 林紙器製作所
長野県岡谷市川岸東1-9-6 TEL:0266-22-5177
http://www.hayashi-shiki.com/