[サイプラススペシャル]279 特殊メッキ加工で自動車部品に欠かせない存在に 取引先の要望に「NO」と言わない姿勢を貫く

長野県長野市

信越理研

信越理研は、創業以来長野市でメッキ加工一筋に歩んできたものづくり企業だ。自動車のブレーキ部品の表面加工からスタートして、現在は自動車部品を中心に電気部品や機器部品のメッキ加工を手掛けている。金属の一部に特殊なメッキ加工を施す「部分メッキ」を得意としていて、国内外の自動車メーカーの部品に幅広く採用されている。

取材後記

一貫して長野の地で歩む

「創業の地であるこの長野に根差して、世界的なものづくり企業となることが我々の目標です。」と語るのは、2年前に社長に就任した服部俊直さん。信越理研は昭和33年、服部社長の父で現会長の服部好男さんが創業。一貫してメッキ加工を手掛けてきた。当初は県内メーカーとの取引が多かったが、現在は全国の部品メーカーと幅広く取引している。

得意分野は「部分メッキ加工」

製造の7割以上は、自動車関連部品のメッキ加工だ。ブレーキ・エンジン・ハーネス・コネクタ・リードフレームなど、様々なメッキ加工部品を製造している。通常メッキというと液付けの部品を連想する方が多いかもしれないが、信越理研の得意分野は「部分メッキ加工」。リールにまかれた金属板の一部に、長い工程を経て特殊なメッキ加工を施していく。

様々な分野のメッキを手掛ける

メッキと一口に言っても、その世界は想像以上に幅広い。サビ防止などの表面加工は勿論、電導効率を上げたり金属の硬くしたり軟らかくしたりするなど、その用途によって異なるメッキ加工が行われる。メッキに使われる金属も、金・銀・銅・ニッケル・錫など用途によって様々だ。勿論環境への配慮にも気を配っていて、省エネや排水対策などにも力を入れているという。

顧客の要望に「NO」と言わない

信越理研が重視している企業姿勢は、「取引先の要望に絶対NOと言わない」こと。どんなに難しいことでも、必ず出来るまでやり遂げることを社員たちに求めている。勿論挑戦には失敗や遠回りがつきものだが、そのような経験をひとつひとつものにすることで実力を培ってきた。品質・納期・コストに加え、サービス面でも取引先である多くの企業から信頼を得ている。

未来の自動車に向けた開発も進める

ハイブリッドカーや電気自動車など、新たなカテゴリーが続々と誕生している自動車業界。信越理研のメッキ加工も、このような時代の最先端技術に生かされている。電気自動車の充電端子に使われる硬質の銀メッキは、従来の部品に比べてより電導率の高いものになっている。自動車やカメラなど我々の身の回りで欠かせない製品の中に、信越理研のメッキ加工技術が目に見えない所で活躍している。

【取材日:2014年6月12日】

企業データ

信越理研株式会社
長野県長野市若穂川田3800-10 TEL:026-282-5282
http://www.shinetsu-riken.co.jp/