[サイプラススペシャル]302 長野県産大豆を使って美味しい納豆を 「道祖神納豆」で農林水産大臣賞を受賞

長野県長野市

村田商店

蒸した大豆に納豆菌を混ぜて、保温して発酵させることで作られる納豆。時代が移り変わっても、この製法は変わることがない。このようにシンプルだからこそ、原料となる大豆の品質が出来栄えを大きく左右する。供給面の問題から輸入大豆を使用しているメーカーが多い中で、地元の長野県産大豆にこだわっているのが、長野市にある村田商店だ。

取材後記

こだわりの納豆づくり

昭和26年に創業してから、長野市若里で納豆づくりを専門に続けてきた村田商店。三代目となる村田滋さんは、社長就任以降原料となる大豆選びにこだわってきた。「安全で安心できる原材料を農家と共に育てて、美味しく加工して食卓へ届けるのが私たちの役目です。」という言葉通り、メイドイン信州の納豆づくりを追究している。

長野県産の大豆を原料に

まず取り組んだのが、地元長野県産の大豆を原料として安定確保すること。県内をくまなく訪ね歩き、松本の農場をはじめとする地元農家と契約を結んだ。主に原料となる品種は長野県で開発されたナカセンナリ。甘味もあり食感も良く加工しやすいサイズで、納豆にするのには最適だという。

農林水産大臣賞に輝く

このようにして収穫された信州産大豆を100%原料として作られているのが、この道祖神納豆。平成25年度の全国納豆鑑評会で、最高賞となる農林水産大臣賞を受賞した。良質な地元産の原料を使用しているのは勿論、糸引きの強さや旨味・食感を増す努力をひとつひとつ積み重ねたことが受賞につながった。

経木で包装した納豆も

信州をテーマに掲げる村田商店のもう一つのこだわりが、この「経木」。長野市内の職人さんの手作りの経木を使って、これまたひとつひとつ手作業で納豆を詰めていく。発酵容器として優れているという経木に包まれた納豆は、なかなか目にする機会が少ない。作り手の高齢化が心配されるが、食の伝統を守るため出来る限り続けたいという。

良質な納豆を加工食品に

栄養価が高く庶民の食卓に欠かせない納豆だが、生の食材のため賞味期限が短いのが難点だ。この問題を解消すべく村田社長が取り組んでいるのが、納豆の加工品開発。フリーズドライにすることで長期間常温保存できるようにした「どらいなっとう」は、おつまみやみそ汁の具として好評だ。良質で美味しい納豆をベースにしつつ、新たな分野への挑戦もはじめている。

【取材日:2014年11月20日】

企業データ

有限会社村田商店
長野県長野市若里1-4-8
http://murata.shoten.com