[サイプラススペシャル]306 水中ウォーキング用ポールを開発 金属ポール製品の専門メーカー

長野県小諸市

キザキ

リハビリなどに導入されている、関節や筋肉への負担が少ない「水中ウォーキング」。ただ泳ぐことが出来ない人や水に入るのを怖がる人もいて、その点が最大のネックとなっていた。これを解決したのが、水中でも使用できるアルミ製のウォーキングポールだ。開発したのはスキーやトレッキング用ポールから、バットややり投げ用の槍など金属ポール製造を幅広く手掛けているメーカー・キザキだ。

取材後記

あらゆる金属ポール製品を製造

kizaki-net03.jpg

小諸市にあるキザキは、現社長の木﨑秀臣さんの父親が昭和36年に創業。スキーのストックのリング部分の製造を皮切りに、スキー用のポール製造にも進出。これ以外にもトレッキング用やウォーキング用のポールなど、様々な製品を開発製造してきた。このキザキが満を持して開発したのが、この水中ウォーキング用ポールだ。


新開発の「水中ウォーキング用ポール」

kizaki-net04.jpg

開発を依頼したのは、水中ウォーキングの有効性に着目していたスポーツドクターやカウンセラー。以前駅伝のトレーニング用に1㎏の重量のあるポールの開発に携わったことから、キザキに白羽の矢が立った。このポールをベースに開発を進めようとして試しに数十本のポールを水中に入れたところ、一本だけが水に浮いた。この「幸運な偶然」から、本格的な開発がスタートした。


立った状態で水に浮く

kizaki-net05.jpg

水中で使うため防水性や防錆性を保つこともさることながら、最も苦労した点が「立てたまま水に浮く」状態を実現することだった。従来は「軽くて丈夫な金属ポール」を追究してきたキザキだったが、重量のバランスを取ることは全くの専門外だった。何回もテストを繰り返して、最も適正な重量とバランスに辿り着くまでに2年もの歳月を要した。


金属バットや槍投げ用ポールも

キザキの作る金属ポール製品は、まさに多種多様だ。最もポピュラーなものは野球のバットだが、変わったところでは陸上競技のやり投げで使用される「槍」も手掛けている。2m以上の長さになる槍を金属の状態から形にしていく工程は、加工や塗装など何段階もの作業を経ている。

kizaki-net06.jpg

あきらめないで「形にする」

キザキのこだわりは、「決してあきらめないこと」。取引先の要望を良く聞いて、まず形にすることが大事だという。「作り手側の目線ではなく、使う側の目線でものづくりをしていきたい。使う方一人一人にあったものを作ることが理想です。」と木﨑社長。このようなものづくりへの姿勢が、水中ウォーキングポールという新たなカテゴリーを生み出したと言えるだろう。

kizaki-net07.jpg

【取材日:2014年12月15日】

企業データ

株式会社キザキ
小諸市加増上の平561-2 TEL:0267-22-1354
http://www.kizaki-net.co.jp/