[サイプラススペシャル]314 超精密金型によるプラスチック加工 サブミクロンの世界に夢を描く

長野県中野市

中野プラスチック工業

中野プラスチック工業は、社名の通り1957年の創業以来プラスチック加工一筋に歩んできた。自動車や産業機械用のプラスチック部品をはじめ、携帯電話やスマートフォンなど高精度を要求される部品加工が得意だ。プラスチックを成形する金型も社内で製造していて、それをベースにした部品加工から組立・検査までを一貫して自社で行えるのが最大の強みだ。

取材後記

スタートは「電話の受話器」

「創業当時は、黒電話の受話器を製造していました。」という小林清素さんは、昨年社長に就任したばかりの若手経営者。60年近くという長い歳月を経て、会社が製造するプラスチック加工部品も変化してきた。現在製造しているのは、同じ電話でも「携帯電話」や「スマートフォン」などの接続コネクタ部分に使われるプラスチック部品。高精度・高精密が要求されるものだ。

小林社長・黒電話

自動車・携帯電話などの部品を製造

このほかに自動車部品やデジタル家電部品なども製造していて、その成形する部品の幅広さには驚かされる。どれも時代の変化と共に年々難易度・精度の向上が要求される部品だ。これ以外にも電力のスマートグリット化に対応した、次世代電力量計のベースやカバーなども製造していて、まさに「プラスチック加工部品の見本市」とでも言うべき存在だ。

検査・製造部品

超高精度を可能にする金型技術

高精度のプラスチック加工を可能としているのが、自社に設けられた金型製造部門。熟練の技能士が、匠の技で金型を作り出していく。国内の金型製造は一時期海外への流出が進んだが、中野プラスチック工業は自社での金型作りにこだわってきた。この金型が、現在の高精度プラスチック加工の生命線となっている。

金型製造・金型アップ

ロボットによる自動化も推進

アームロボット

現在推し進めているのが、製造ラインの自動化だ。工業用ロボットによる生産ラインの自動化によって、より高効率のプラスチック加工を目指している。長年培った金型製造と最先端の製造ラインを両立させることで高精密の部品を製造するとともに、地球環境に優しい企業体質を作り上げている。

将来は自社開発部門も

「営業力と技術力を磨いて、もっともっと強い会社にしたい。」という小林社長の夢は、自社製品を作り出すこと。金型設計製造から成形・組立・検査・測定から販売まで自社で一貫して可能とすることに加えて、開発部門を強化する方針だ。そのために今持っているノウハウを蓄積して、「中プラ」ブランドを世に送り出すことを目標としている。

YES!

【取材日:2015年02月16日】

企業データ

中野プラスチック工業株式会社
長野県中野市大字西条1-2 TEL:0269-22-3141
http://www.jnkp.co.jp/