サラリーマン時代から「発明」に勤しむ

社長の岡庭久雄さんは、会社員時代にも車のハンドル部品などの開発で特許を取得した発明家。自身の開発した商品を広めたいという気持ちから、会社を早期退職してノーヴェを創業した。現在の主力商品である「ヘアカットブラシ」も、自宅で子供の散髪をしている際に「もっと安全で簡単に出来ないものか」というのが開発のきっかけだった。

梳かすだけで自然に髪をカット

ヘアカットブラシは、ブラシの部分に小さなカミソリが内蔵されている。ブラシを梳くだけで自然な状態に髪をカット出来ることが特徴だ。試作品で髪をカットする最適な角度を研究したほか、安全面に配慮して刃先にカバーを付けるなどの工夫も凝らされている。刃先の部分は付け替えが可能で、半永久的に使用することが出来る。姉妹品のヘアカットコームは短めの髪のカットや前髪や襟足のカットに使用できる。

アレンジした製品も

このヘアカットブラシを応用した商品も、昨年開発した。主に女性が自分で前髪を梳くための携帯用の「アリア」や、前髪の長さをカットする「ルーア」などだ。シースルーバングスやギザギザバングスなども簡単にできる。通販やテレビショッピングなどで販売していて、使用している方からは歓迎する声が多いという。

製造は協力工場に委託

工場などの製造部門を持たないノーヴェは、製造を近隣の工場に委託している。協力工場の一つが、中川村にあるアイシン製作所。一般に流通している櫛を製造していることから、ヘアカットブラシの製造を依頼している。

多くの方に使ってほしい

2011年の東日本大震災の際、散髪の出来ない現地の方に使ってほしいと被災地に大量のヘアカットブラシとコームを届けたところ、大変喜ばれたという。一般の方は勿論、外出が困難で理髪店や美容院に行けない要介護の方にも使ってほしいという。