[サイプラススペシャル]353 新たなコンセプトの商品「oeuf(ウフ)」を開発 銘菓「いと忠巣ごもり」で知られる菓子メーカー

長野県飯田市

いと忠

明治元年に創業した「いと忠」は、戦前までは小間物屋を営んでいた。戦後から菓子作りをはじめ、現在は銘菓「いと忠巣ごもり」で知られる飯田を代表する菓子メーカーだ。このいと忠が女性や若年層を意識して開発した新商品が、「oeuf(ウフ)」。本店をはじめ県内の百貨店や大型スーパー各店で販売していて、贈答品として好評だという。

取材後記

銘菓「いと忠巣ごもり」で知られる

先代の父親が始めた菓子業を引き継いだのが、現社長の横前忠幸さん。代表的なブランドは卵の黄味餡をホワイトチョコレートで包んだ「いと忠巣ごもり」。「鶴の巣ごもり」から名付けられた、卵をイメージした生菓子だ。飯田のみならず長野県を代表する銘菓として「信州ブランドアワード2013」を受賞したほか、第20回全国菓子大博覧会で名誉金賞を受賞している。

銘菓「いと忠巣ごもり」で知られる

新たな商品「oeuf(ウフ)」

新たな商品「oeuf(ウフ)」

いと忠が新たに開発した新商品が、この「oeuf(ウフ)」。巣ごもりが「洋風和菓子」だとすれば、oeufは「和風洋菓子」というコンセプトで作られた新作スイーツだ。卵を贅沢に使い巣ごもりよりも一回り小さく食べやすいサイズとして甘さも押さえることで、既存商品では難しかった若い女性層からの支持を獲得した。

地元の支援や協力で完成

地元の支援や協力で完成

開発にあたってまず支援を依頼したのが、県の地域資源製品開発支援センター。ネーミングやパッケージデザインも、過去に例のない斬新なものを目指した。デザインを担当したのは、有名ブランドのパッケージも手掛ける地元出身の塩沢喜徳さん。ネーミングもフランス語で卵を意味する「oeuf(ウフ)」と決まった。

若い女性の意見を参考に

いくつかの試作品の中から商品として発売するものを選ぶ際に、重視したのが若い女性の意見。地元の飯田女子短期大学に協力を依頼して、試食会を実施した。年齢の高い女性層と女子学生で好みが分かれた場合は、女子学生の意見を尊重したという。こうして10種類ほどの試作品の中から、現在販売している「ピュア」と三種類の「フルーツ」が選ばれた。

若い女性の意見を参考に

時代が求める美味しいお菓子を

「ぱりっ」としたチョコの歯ざわりと「ふわっ」とした餡の舌触りで、思わず「うふ!」と笑みがこぼれる。これが「oeuf」のネーミングのもう一つの由来だ。「時代の進み方が早いので追いつくのが大変だが時代にあったお菓子を作っていきたい」という横前社長。巣ごもりというメインブランドに安住することなく、新たな挑戦がoeufという形で実を結んだ。

時代が求める美味しいお菓子を

【取材日:2015年11月30日】

企業データ

株式会社いと忠
〒395-0002飯田市上郷飯沼2218-1 TEL:0265-52-2464
http://sugomori.co.jp