[サイプラススペシャル]456 イチゴの高度事業化研究プロジェクト 【特集】スゴいぞ!信大工学部

長野県長野市

信州大学 FAID 食・農産業の先端学際研究会

夏でもおいしい「四季成り性品種」
大学発のいちご「信大BS8-9」

「すごく甘くて、美味しいです」
「スッキリした甘さです」

真っ赤ないちご。この小さな果実、長野県内外から熱い視線を集めている、信州大学発のいちごです。
「YES!ものづくり」特集スゴいぞ!信大工学部。
今回は「信大いちご」をご紹介します。

高品質・信大発の新品種

11/15 いい・いちごの日にキックオフ

11月15日の「いい・いちご」の日に信大工学部で開催されたイチゴの高度事業化プロジェクト・キックオフシンポジウム。

JAや農家だけでなく、自治体から民間企業まで、100人以上の参加者が集まり、信州大学が開発したいちごへの関心がうかがえました。

夏でもおいしい「信大いちご」

信州大学が開発し、2011年に品種登録された夏秋いちご「信大BS8-9」。
なぜ信大がいちごの研究をしているのか、品種改良を手掛けた工学部特任教授大井美知男先生に伺いました。
「夏でも、冬と同じ、あるいはそれ以上においしいいちごをつくりたい、そういう認識を持っていただけるよう、この品種を作ったつもりです」

もともといちごの旬は、冬から春にかけて。
暑さに弱いため、夏から秋は果実の収穫がしづらい季節でした。「夏秋いちご」は、この時期に収穫出荷が可能な品種です。
大井先生はおよそ6年間かけて品種改良を手掛け、信大発の夏秋いちごの新品種「信大BS8-9」いわば「信大いちご」を開発しました。

さらなる普及と高付加価値目指して

こだわりの「甘さ」「香り」

「信大いちご」の一番の魅力は、大井先生がこだわり続けた「味」です。
冬から春にかけて出回る「あまおう」や「章姫(あきひめ」などの高級いちごにも負けない、四季成りいちごをつくりたい。大井先生は、気温が上がる夏の栽培でも高い糖度を保ち、かつ香豊かな品種を開発しました。

2011年に品種登録されて以来、栽培地域が広がる「信大いちご」。
長野県内の民間事業者も、ビジネス化をはじめました。
そのひとつが、委託/受託給食サービスなどを手掛ける長野市のミールケアです。

ミールケア代表取締役関幸博社長に、信大いちごへの期待を伺いました。
「夢あるいちごです。障害者雇用の一環として、障害を持つ方々にこの夢のあるいちごの栽培で、仕事として1年中働ける環境をつくりたい。これが夢」

伊那バス/ミールケアでも新規事業化

伊那市を拠点とする観光バス会社伊那バスでも、新規事業として「信大いちご」の栽培と販売に取り組んでいます。
その視察会が11月24日に開かれました。

視察会に参加した須藤物産CTO田中明さん。
「相当可能性がある品種だと思って、今後真剣に考えていきたいと思っています」
上田市武石でフルーツトマトのハウス大規模栽培を手掛ける須藤物産も、信大初の新品種に魅力を感じたようでした。

工学部タイアップで「いちご」をサポート

この「信大いちご」。
信州大学でプロジェクトチームを立ち上げたのには、わけがあります。
プロジェクトの指揮をとる、産学官連携室コーディネーター長特任顧問 白川達夫先生に伺いました。
「大井先生が開発したいちご、なんとか1年中とれるよう『技術』で貢献できないかという時に、栽培ロボットや、ICTの遠隔の監視だとか、信大工学部のさまざまな技術が必要だろうということで取り組み始めました」

栽培技術、省力・自動化、機能性食品など、信大工学部の最先端の研究を繋ぎあわせて新しいいちごのビジネス化をサポートする体制が整いつつあります。 信大いちごには、工学部のワザがギュッと詰まっているのです。

【取材日:2017年11月15日】

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