[サイプラススペシャル]460 「一貫生産」長野でつくる高性能レンズ プロのカメラ用から宇宙開発まで

長野県中野市

株式会社コシナ

研究開発から組み立てまですべて北信州で
メイドイン長野にこだわったハイエンド光学デバイス

「プロ用カメラレンズから、宇宙用まで」
「一貫生産、長野でつくっています!」

高性能で高品質、いわゆる「ハイエンド」な光学精密機器。
今回は「ものづくり大賞NAGANO2017」を受賞した中野市のレンズメーカー、コシナをご紹介します。

高性能デジタルカメラからシネコン、宇宙まで

最高品質の光学製品をつくり続けるコシナ

長野県北部、中野・飯山などを中心に4つの製造拠点を構えるコシナは、メイドインナガノの光学機器・レンズを世界に送り出すものづくり企業です。
特長は光学素材の研究開発から設計・加工・組立まで一貫して自社で行っていること。

取締役中野事業所の関敦夫さんに伺いました。
「この事業所では機構部品も作っていますが、ただ作るだけでなく、組み立ての後の『メッキ工程』とか『彫刻』(文字の刻印)とか、そういうレンズを完成させるために必要な工程を全て完備しています。」

自社生産だからフレキシブルに対応

精密機械の工場は完成品組み立てのみ自社で行い、ひとつひとつの部品加工は外注する場合が一般的ですが、コシナはレンズづくり、金属部品の加工、川上から川下まで自社内で完結できるのが強みです。
「部品加工ふくめ、社内でそれができる。だからこそ多品種少量生産に向けたフレキシブルな生産体制を構築できている」と、関所長。

世界中のお客様の100%満足を目指す

宇宙研究でも活躍コシナのレンズ

プロカメラマンや愛好家に高く評価されるカメラレンズとともに近年では宇宙関連分野へも進出。
コシナは大学との共同研究やプロジェクトに参加し、人工衛星や宇宙ステーションで使われる特殊レンズの開発にも携わっています。

守り続けてきた「雇用優先」「地元生産」

代表取締役社長小林博文さんは、ものづくりで大切にしていることがあります。
「創業から現在まで守り続けてきたことが2つあります。一つは雇用最優先、もう一つは地元に根付いた生産体制。
当社の製品というのは長年の経験と熟練を要する、当社にとって人は最大の財産、そういう面からも地元での生産が一番だと考えています。」

同業メーカーが生産拠点を海外にシフトする中、創業以来北信州に工場を構え、メイドイン長野にこだわってきたコシナは、創業者の時代から「地元に根付く企業として社員のリストラをしない」ことを頑なに守り続け、オイルショック、バブル崩壊、ITバブル、リーマンショックなど不況の荒波でも一切リストラすることなく、社員の雇用を守り続けてきました。

高度な技術と一貫生産体制で、高性能でハイエンドな製品をつくる。
コシナは妥協しないものづくりで世界のマーケットに挑戦を続けます。

【取材日:2017年11月15日】

企業データ

株式会社コシナ
〒383-8555 長野県中野市吉田1081 TEL.0269-22-5100
http://www.cosina.co.jp