短納期も高品質を実現

長野市に本社を置く大日本法令印刷は、印刷業が多い長野市内でもひと際大きな、県内最大規模の印刷会社です。
強みは、規模のメリットを生かした一貫生産。分業が一般的な印刷業界において、データ制作から、印刷、製本まで、ひとつの社内でできることが特徴です。

取締役本社工場工場長養田浩さん
「社内で一貫でやることによって納期を短く、品質も担保できる。さらに管理工数も減らせることが『強み』でありメリット」

大型機械を導入して働き方改革!?

1日平均45万枚、4万5千冊が印刷・製本される工場では、コスト削減や作業時間の短縮につなげる取り組みも積極的です。
通常の2倍の大きさの紙を印刷できる大型の印刷機や、大きな紙を折る機械を導入し、効率化を図りました。

取締役本社工場工場長養田浩さん
「大型機械は導入コストはかかるが、同じ時間内でたくさんの仕事ができ、今まで残業で対応した部分も時間内でできるので、働き方改革にもつながる。時代に合わせ、受注内容も大きく変わってきた。今まで外注でできた部分も受け皿が厳しくなっているので、社内で工程を持つことを進めてきている。」

印刷工程の内製化は、業務拡大にもつながります。
たとえば、新しく導入した、用紙に透明フィルムを貼る「ラミネート加工」と、少ページに対応した「中綴じ製本」。社内で新しい工程をこなせることで、カタログやパンフレットなどの新たな受注に結び付いています。

10年以上「育児休業取得率」100％

代表取締役社長の山上哲生さんは67歳。県経営者協会を経て入社し、人事労務畑を歩んできました。山上社長は、政府が進める働き方改革が叫ばれる以前から、社をあげて改革に取り組んできました。

その一つが女性の活躍できる職場づくりです。データの制作や印刷内容のチェック部門は、女性が7割を占めています。熟練と高い専門性をもった社員が働きつづけられる職場づくりを目指し、女性の育児休業取得率は10年以上100%を達成しているほか、出産や介護などで職場を離れざるを得ない従業員を再雇用する制度も設けています。

健康な社員が健康な会社をつくる

代表取締役社長の山上哲生さん
「中小企業はひとりの力大きい。一万人のうちのひとりと、200人のうちひとりでは重みが違う。そのひとりひとりがちゃんと自分の能力を発揮して元気に仕事ができることが最も重要。」「いつも『健康な社員が、健康な会社を作る』と言っています。会社の健康って何かと考えたときに、一番は働く皆さんの心身の健康。」

長時間労働の恒常化を防止するため、保健師が常駐し、従業員の日常の健康チェックを任せています。
熟練や高い専門性の求められる印刷業界だからこそ、山上社長が先頭に立って働き方改革を進める中で、従業員が一丸となり、業績を維持する経営を続けています。

「印刷」の技術を新しいビジネスへ

印刷業界では異色の一貫生産で生産性の向上と省力化を実現し、さらに一歩進んだ「働き方改革」にも積極的な大日本法令印刷。
次の一手は、印刷の枠にとらわれないビジネス展開で新たな市場の開拓です。
これまでの「紙」への印刷だけでなく、企画開発部門では「印刷」の技術をいかしインターネットや電子書籍など、あたらしいメディアにも対応しています。

企画開発課課長　江島孝雄さん
「出版者様もお客様も話を聞くとアナログ的な部分が多く残っている。これをデジタル的なものに置き換えることによって双方メリットがある。IT分野の動向も、後追いでなく、一歩進んだ形で提案していきたい。」
これまでの印刷業者との差別化を図るために立ち上げた企画開発課。社内でのシステム開発を応用して特許を取得したほか、社員の柔軟な発想を採用し、「ペーパークラフト」企画も動き始めました。

「新しい仕事、大歓迎!」という社員が増えてほしい

代表取締役社長　山上哲生さん
「いろんな仕事が入っていることを楽しいと思ってほしい。物事をポジティブにとらえてもらって、新しい仕事大歓迎、という社員が増えてほしい」

業界ではめずらしい一貫生産を強みに、省力化をいちはやく実現。大日本法令印刷は、これからも「印刷」の枠にとらわれないビジネス展開で、人材育成と市場開拓を目指します。