[コラム]ものづくりの視点

vol.14「社会技術」の開発にも取り組んでいます・・・
財団法人長野県テクノ財団 専務理事
山岸 國耿

行政や教育・福祉・環境等の課題の解決へ

 先日、ある市長さんとお話をする機会がありました。その中で、「ゴミの処理が大変だ、経費が掛かるが何かうまい技術は無いか・・・、山の登山道路のトイレに、バイオ技術など活用して使いやすいものはできないか・・・、」などのお話がありました。当財団は、先端的な技術、いわゆるハイテク技術を駆使し、大学や企業と連携して自動車産業や電機産業等に向けた技術の開発に集中して取り組んでいますが、このような行政や教育・福祉・環境等に係わる課題の解決に、技術開発面から応えていくことも極めて重要だと考えています。

 行政機関や教育・福祉施設等で使用されている物品やシステムなどのことを「社会財」といい、これらを支援する技術のことを「社会技術」といっています。大学等でも研究している先生方がおられますし、又、企業にとりますと、技術力の向上にも役立ち、かつ新しい事業分野にも参入できますので、歓迎されることでもあります。

 現在当財団では、事業所等から出る廃棄物の"ゼロ"を目指した"ゼロエミッション推進研究会"を開催したり、「たたみ状ベッドの開発」など福祉機器の開発も支援しています。今後も社会の課題解決に向けた「社会技術」の開発に、大学や、企業の参加を得て今まで以上に積極的に取り組んでいきたいと考えています。

 

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ゼロエミッション推進研究会((財)長野県テクノ財団浅間テクノポリス地域センターが事務局)主催のフォーラム風景

 

 

 

【掲載日:2008年11月10日】

山岸 國耿

財団法人長野県テクノ財団 専務理事
昭和19年上田市生まれ。38年間長野県職員として長野県商工部関係機関に勤務。長野県工業試験場長を最後に定年退職。当財団浅間テクノポリス地域センター事務局長を経て、現職に就任。
http://www.tech.or.jp/