[コラム]ものづくりの視点

vol.46研究開発資金 21億円を導入
財団法人長野県テクノ財団 専務理事
山岸 國耿

 長野県テクノ財団では、講習会や先端技術研究会などいろいろな事業を実施しています。その一つとして以前にもお話しいたしましたが、国などには、企業の研究開発等を支援する各種の補助金等の制度があり、当財団では、それらを導入する際の申請書類の作成のお手伝いや、管理法人として補助金等の経理処理を担当することなど、様々な面で支援をしています。

 これら研究開発に向けた補助金等は、"提案公募型競争的資金"とも呼ばれ、多種多様なメニューがあります。全国に広く公募され、企業等から多数の提案・応募があり、その中から慎重な審査を経て採否が決定されます。

 企業にとっては、研究開発は、多額な資金を使っても失敗することも多くリスクの高いものなので、このような公費による支援は大変ありがたいものとなっています。   

 また一面、研究開発は、一企業の技術力の向上のみならず、産業構造の高度化を促し、雇用の確保等を通じ地域にも貢献いたします。

 当財団では、平成21年度は、件数では平年ベースの2倍の約60件、金額では、総額で21億円と平年より約5億円多く、企業等へのこれら資金の導入を支援することができました。

 ある企業関係の方からは、「企業で売上高に占める研究開発費の割合は平均3%と言われている。従って今回の21億円の研究開発資金は、逆算すると約600億円を売り上げる企業の研究開発資金に匹敵する」との話しも・・??

 当財団では、事業活動の自己評価項目の一つとして、これら資金の企業等への導入支援を、件数・金額として掲げ、職員一丸となって取り組んでおり、今年度の結果に大変喜んでいるところです。

 今後もこのような、企業等の研究開発力の向上に役立つ、提案公募型の競争的資金の導入を積極的に図っていきたいと考えています。

【掲載日:2010年3月 8日】

山岸 國耿

財団法人長野県テクノ財団 専務理事
昭和19年上田市生まれ。38年間長野県職員として長野県商工部関係機関に勤務。長野県工業試験場長を最後に定年退職。当財団浅間テクノポリス地域センター事務局長を経て、現職に就任。 http://www.tech.or.jp/