編集部より

人在りて人在(人ありてじんざい)

信州吉野電機

「技術はきれい 信州吉野電機」という電柱の看板を、一つ一つ、目で追いながら会社の入り口に立ちました。

「機械金型を管理しているのは人、その人を管理するのも人、その管理職を見るのが会社のトップ。品質が悪いってことは社長の品質が悪い、経営の品質が悪いってことだよ」。スタートから、きびしい言葉をいただきました。でも、社長の目は少年のよう、楽しそうでした。

「コレがわが社の技術ですってものはないよ。ウチにあるのは品質技術だけ」

信州吉野電機の技術は「不良品を出さないものづくり」。地球に優しいものづくり「技術はきれい」です。不良品を出さないための管理ソフトは全部社内で開発されました。一人一人がやっていることをプログラムして製品を管理する、不良品を出さない技術は「人」が作り出した技術です。

4月に入社したA君が社長のパソコンを持って部屋に入ってきました。「おい、出ねえぞ」「社長、USBはいっていませんよ」「おっ、そうか、なあんだ」何気ない二人の会話に、思わず笑みがこぼれます。続いて呼ばれたBさんには「好きなこといっていいぞ」と社長の一言。Cさんは学生時代の工場見学に訪れ、働いている人が皆生き生きしていたことが、入社動機とか。その思いは入社してからも「変わりません」BさんもCさんもまっすぐです。「お前たち良い相手みつけろよ」「えーっ」若い力が伸びています。

「社員を育てるのは社長の仕事」楽しい時間をいただきました。

(2008年8月 6日)