長野県長野市
ものづくりNAGANO応援懇話会
情報発信で「ものづくり」を応援!
製造業は長野県の「基幹産業」
長野県内の経済団体トップや阿部知事らでつくる「ものづくりNAGANO応援懇話会」(座長・山浦愛幸長野県経営者協会長/八十二銀行頭取)。
4月11日に長野市内で7回目の会議が開かれました。
「ものづくりNAGANO応援懇話会」は、長野県の基幹産業である「製造業・ものづくり」を、情報発信で応援していこうという会で、2008年5月に設立。2010年からは、表彰制度「ものづくり大賞NAGANO」をスタートさせ、長野県のがんばるものづくり企業などを応援しています。
今回の「yes ものづくりナガノ」と「サイプラス」では、第7回ものづくりNAGANO応援懇話会の様子と、4月12日から応募受付がはじまった「ものづくり大賞NAGANO2012」についてご紹介します。
「製造業は長野県の『稼ぎ頭』です。」と、阿部守一長野県知事。
「県外や海外から、いろいろ稼いでくる一番の「稼ぎ頭」が、長野県の場合、製造業です。ものづくり産業は、長野県のいわば『顔』ともいえる存在です。」
会議の中で阿部知事は、ものづくり企業の育成について「産学官が、連携するだけでなく『一体』になって取り組むべき」と、考えを示しました。
情報発信で長野県のものづくりを応援しようという「ものづくりNAGANO応援懇話会」。4月11日に開催された第7回の会議の様子をご紹介しましょう。
そもそも、なぜ「ものづくり」が重要なのでしょうか?
実は、大きな理由の一つが、県外からの収入構造にあります。
「長野県を一つの国に例えるならば、輸出にあたる金額の4分の3は、ものづくり産業が占めています。」
太田寛長野県商工労働部長が言うのは、「移輸出額」。平成17年の資料によると、製造業はおよそ5兆2200億円で75.7%を占めていて、2位のサービス業7200億円(10.5%)と比較してもその大きさがわかるでしょう。
もし、長野県が一つの国だったとすると、輸出額の75%以上が製造業。阿部知事の言葉通り、まさに「稼ぎ頭」です。
さらに興味深いデータがあります。
2010年国勢調査の結果によると、長野県で働いている人(就業者)はおよそ110万人。産業別にみると、一番多いのが製造業でおよそ23万人。21.5%を占めています。2位の卸売業・小売業(16万人・15.3%)、3位の医療・福祉(11万人・10.8%)と比較しても、長野県はものづくり関係の仕事をしている人が多いことが分かります。
また、2010年度の長野県企業売上高ランキングを見ても、1位のセイコーエプソン(6370億円)、2位のミネベア(2010億円)をはじめ、ベスト100の半数以上、55社がものづくり関連の企業です。
ものづくりNAGANO応援懇話会は、情報発信を通してものづくりを応援することで、働いている方々に自信と誇りを持ってもらい、ものづくりの未来をつくる若い世代を育て、集めることを目的としています。
会議のテーマは「長野で創る」。
工場の海外移転を含め、価格競争の荒波の中、国内や県内産業の空洞化は避けられない問題です。また震災や円高の影響など、県内のものづくりは依然、強い逆風の中にあります。
今まさに、大きな転換点を迎えている長野県のものづくり。「長野で創る」というテーマには、どうすれば長野県のものづくりが元気になるのか?研究開発型や高付加価値、新しい産業の創出などはどういった方向性で進めればいいのか?という課題解決の糸口を探る意味が込められています。
会議のテーマは「長野で創る」。
会議では、医療機器開発・製造のリバー精工(岡谷市)西村幸会長による事例報告がありました。
(リバー精工について詳しくは サイプラススペシャル155 リバー精工 医療機器で「負担の少ない」手術を実現 )
「がんを患った経験から患者の負担が少ない機器を開発した」という西村会長。内視鏡でのガン手術で使われる「世界一小さいはさみ」は、「製造工程の中で2か所くらい、あえて手作りにしている部分がある。手で作る部分は、簡単にまねできない。日本でつくること、長野でつくることにこだわってやっている」ということです。
リバー精工西村会長の事例報告の後に、メンバーによる意見交換が行われました。
「将来のニーズを、的確にとらえる必要がある」と、県経営者協会技術技能委員会の花岡清二委員長(セイコーエプソン取締役会長)。エプソンが20年前から開発をはじめ、昨年商品化した内脂肪型肥満(メタボリック症候群)改善用の腕時計型脈拍計を例に、「10年後、20年後のニーズをどれだけ予測して、今、動くかということが一番ポイントになる」と話しました。
(エプソンの「メタボ改善センサー」について詳しくは サイプラススペシャル166 セイコーエプソン ものづくりのワザを活かしてメタボ解消)
そのほか「人材育成が不可欠」などの意見も出されました。
会議では、今年度からスタートした「長野県ものづくり産業振興戦略プラン」も議題にあがりました。
「成長が期待される分野は、大きく3つあります。一つは医療・健康、それからもう一つは環境・エネルギー、そして最後の一つが次世代交通です。」と、プランを説明した県商工労働部太田部長。
拡大が期待される「医療・健康」「環境・エネルギー」「次世代交通」の3分野。長野県内企業も、こうした成長分野に挑戦しています。
「ものづくり県・長野。長野県としても、製造業の進展に全力で取り組んでいきたい」と阿部知事。
「長野県はまだまだ情報の発信力が弱いが『長寿県』としてメディカル産業をブランド化できれば、世界に発信できると思います。『アポロ計画』のように、目に見えるカタチで、未来に意欲をもって取り組める仕掛けがあるかも知れません。長野県も産学と『連携』というより、産学官『一体』となって取り組んできたい。」と、強調しました。
「ものづくり大賞NAGANO 2012」のエントリー受付が始まりました。 3回目を迎えるこの大賞は、地元に腰を据え、地域の人たちと連携しながら事業を展開し成果を収めている長野県に関わりのある「ものづくり」企業・団体を広く社会に浸透させ、長野県の基幹産業である製造業を情報発信の視点で応援しようというものです。 また、「発展性・先進性」を審査項目に加えることで、「成長分野に積極的に挑戦する企業」や「新たな分野の研究開発を進める企業」を応援していきます。
「ものづくり大賞NAGANO2012」は、ホームページから応募要項と応募用紙をダウンロードし、郵送にて申し込みができます。(自薦・他薦問わず)
詳しくはこちらのホームページをご覧ください。
http://mono-n.com/monozukuri.html
ものづくりNAGANO応援懇話会
ものづくりNAGANO応援懇話会事務局 TEL:026-237-0545
http://mono-n.com/index.html