[サイプラススペシャル]232 世界にひとつしかないオリジナルバッグを手作りで 依頼主の思い出の品を素材に生かす

長野県池田町

オリジナル・ファイブ

どの家庭にも普段着なくなった服や、親族から受け継いだ着物や帯などが眠っているはず。それらを素材に使用した世界でただひとつのオリジナルバッグを制作しているのが、池田町にあるオリジナル・ファイブ。お客さんの要望をしっかりと受け止め製品づくりに生かすとともに、他のリサイクル素材を活用した新たなオリジナルバッグも制作している。

取材後記

大量生産ではないオリジナルを追究

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オリジナル・ファイブは、社長の甕富喜好さんと夫の聖章さんが経営している。「どうしてもオリジナルのバッグづくりがやりたかった」というのが、この会社を立ち上げた理由だ。二人とも東京のかばん工場で働いていたが、大量生産のかばん作りに疑問を感じて平成3年に故郷の池田町に戻って創業。その4年後に、オリジナルのバッグを作る現在の業態に転換した。


きっかけは「お客さんの要望」

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当初は革製のオリジナルバッグを制作していたが、転機となったのがお客さんの持ち込んだ応接間のマット。「これを生地にしてボストンバッグを作ってほしい」との依頼を受けた。面白いものが出来たのでウインドウに飾ったところ、早速お客さんから反応があった。「マットではなく着物や帯を使っても出来るのでは」という意見を参考に、本格的にオリジナルバッグ作りを始めた。


ひとつひとつ手作りで仕上げる

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ある程度のパターンは決めているものの、「こういう風に作ってほしい」というお客さんの要望があればそれに合わせてパターンも変える。その際は型紙もオリジナルで一から作るという。素材となる着物や帯などは、親族の形見などお客さんの思いが詰まった品が多い。そのイメージを活かして作ることが、何よりも難しい反面やりがいがある仕事だという。


出来上がりの喜びをお客さんと共有

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制作するなかでもっとも大切にしているのが、依頼主であるお客さんとのコミュニケーション。直にお客さんの声を聞くことが、イメージに合うバッグを作るコツだという。出来上がりの際感動してもらうことで、その思いを共有できることが何よりも嬉しいと言う。自分が作ったバッグを街で見かけると、更に喜びが込み上げてくるという。


子どものレッスンバッグも

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オリジナル・ファイブが新たに手掛けているのが、子どもがスポーツや習い事などで使うレッスンバッグ。子育て中の女性スタッフの声がヒントになったという。「サッカーボールやグローブなどの入っている、誰も持っていないバッグを作り始めています。」という甕社長。お客さんとのつながりを大切に、その要望に応えるべく今日もオリジナルバッグ作りを続けている。


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【取材日:2013年7月10日】

企業データ

有限会社オリジナル・ファイブ
長野県北安曇郡池田町大字池田4127 TEL:0261-62-2014
http://www.original5.azumino.com/