[サイプラススペシャル]249 新型のワイヤレス・ボイスレシーバーシステムを開発 従来なかった画期的な製品を生み出す

長野県千曲市

エムケー精工

オート・情報・生活関連機器の分野で様々な製品を開発製造しているエムケー精工が、また新たな製品を開発した。「みみもとホンクリア」と名付けられたこの新商品は、聞きたい人の声を、マイクを通して耳元の超小型スピーカーに出力するという仕組みだ。開発したのはグループ企業のエムケー電子で、ユーザーにも好評だという。

取材後記

新発想の製品

誰でも話し声などが自然に聞き取れることは念願だ。その願いを叶えるべく新たに開発されたのが、この「みみもとホンクリア」。ワイヤレス・ボイスレシーバーという、今までにない全く新しい概念の製品だ。長野市にあるエムケー精工グループのエムケー電子が、半導体メーカーと共同で3年の歳月をかけて開発。数百名のモニターの方にご協力いただいて、何回も実験を繰り返して生み出されたものだ。

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長年の開発の成果

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開発を担当したのはグループ企業のエムケー電子で、主にエムケー精工製品の電子基板の製造や組立を担当している。開発の中心となった部長の中島照正さんは、20年近く耳に聞こえやすい音を追究してきた。開発のベースとなったのは、テレビの音が耳元ではっきりと聞こえ累計15万台のベストセラーとなった「みみもとくん」。このみみもとくんのユーザーから、「しゃべる声もはっきりと聞き取りたい」というニーズから製品開発に着手した。


特徴は「耳に入れない」と「セパレート」

最大の特徴は、聞き取り用のレシーバー部のスピーカーが耳に密着していないこと。これによってより自然な音で聞き取れるという。また耳のそばにスピーカーを近付けると聞こえやすいが、周りに音が広がってしまうため、耳の方向にだけ音を出す超指向性のスピーカーを採用した。もう一つの特徴は、マイクとレシーバーを分離したこと。これによって相手の声がはっきり聞こえて自分の声が入りにくく、会話が聞き取りやすい理想的な形に仕上がったという。

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多岐に渡る製品ラインナップ

エムケー精工グループは創業当時に大ヒットした灯油ポンプを皮切りに、様々な製品を開発・製造してきた。本社のショールームには、大型から小型まで数多くの低温貯蔵庫をはじめ、餅つき機やレンジ台など自社で開発した製品がずらりと並ぶ。このほかにも洗車機やLED表示装置など、そのジャンルは実に幅広い。これには「世の中にないもので必需品になるものを作る」というDNAが、創業以来脈々と受け継がれるからだ。

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お客さんが納得できる製品を

「耳が持つ本来の力を、外耳を活用することで十分発揮でき、自然な音でハッキリ聞こえることが最大の特徴。」と中島部長が語るように、家庭を中心に日常会話が自然に出来ることに最もこだわったという。その甲斐あってユーザーにも好評で、徐々に利用が広がっているという。特許も取得していて、今後はユーザーが更に満足できるように小型化などの改良を進めると同時に、将来は海外市場への進出も目指している。

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過去の取材内容はこちら

【取材日:2013年11月08日】

企業データ

エムケー精工株式会社
長野県千曲市雨宮1825 TEL:026-272-0601
http://www.mkseiko.co.jp/