[サイプラススペシャル]250 独自に開発した製品で数多くの特許を取得 コンクリート二次製品を製造

長野県山形村

オーイケ

公共事業やインフラ整備に欠かせないコンクリート製品。側溝や車止めなどのシンプルな構造のもののほか、電線を通すなどの付加価値を付けたコンクリート二次製品と呼ばれる分野で活躍しているのが、山形村にあるオーイケの製品だ。外国語学部出身という製造業では異色の経歴を持つ社長自らが独自に開発し特許を取得した製品が、様々な土木建築現場で採用されている。

取材後記

付加価値の高い製品で勝負

ooike-031.jpg

「会社が生き残るためには、他が作らないものを作るか、他より生産効率を上げることが大切。」と語るのは、社長の大池悦二さん。創業当時は土木工事を主にしていたが、バブル崩壊後の公共工事の受注減を境にコンクリート二次製品の開発と製造に主軸を移していった。独自の型枠にコンクリートを流し込む生コン成型と、硬質のコンクリートを圧縮して固めるプレス成型で、サイズや個数を問わず様々なコンクリート製品を生産している。

広大な敷地に並ぶ工場と製品

松本平の南西部に位置する山形村の郊外に、本社をはじめ工場や製品置場が集積している。その敷地は約4万坪で、国内のコンクリート工場としては最大級の規模だ。ここで数百種類の製品が日々製造され、出荷の時を待つ。本社以外にも全国に100か所以上のフランチャイズ工場と提携していて、全国発送を可能とする体制を整えている。それでも生産体制が追いつかないため、現在近隣に新たな工場を増設して対応するという。

ooike-041.jpg

社長自らが開発した特許製品

オーイケの最大の特徴は、数多くの新製品を開発して特許を取得していること。既存の製品を改良発展させたものもあるが、大池社長自らが独自に開発した製品も多いという。その代表作が、このOK式油水分離漕。電線の地中化に活躍するCCBOX(電線共同溝)と共に、オーイケの代表的な製品となっている。

ooike-051.jpg

車が踏んでも音の出ない「側溝」

側溝に乗せた蓋や金具などの上を車が通過した際、発生する騒音は長年の課題だった。これを克服する製品もオーイケが開発した。本体と蓋の間を3か所のポイントで支えることでぐらつきを解消し、踏んでも音のしない構造を作り出した。自社の専門分野外の金具の部分も直線でなくアーチ状にすることで、騒音の発生を解消できたという。

ooike-061.jpg

海外から来た従業員も活躍

新たな製品開発と並行して、生産効率の向上にも重点を置いている。大型駐車場などに使用されるコンクリートの車止めも、他社に先駆けて量産に成功した。この生産効率アップに大きく寄与しているのが、海外から来た従業員。日本式の既存概念に囚われないことが、会社に大きなメリットを生んでいるという。その裏付けとして、現在工場長をはじめ、海外出身の多くの社員たちが重要なポストで働いている。年度末に向けて繁忙期を迎えているが、社員たちの士気は高い。

ooike-071.jpg

【取材日:2013年11月18日】

企業データ

株式会社オーイケ
長野県東筑摩郡山形村54-1 TEL0263-98-2238
http://www.ooike.net