長野県白馬村
オーブス
化粧品も飲料水も工業用原材料水も
自然界の「水」にこだわった製品開発
水清き信州。その豊かな水を原点に、化粧品や飲料水、はたまた工業用・農業用・食品用原料水の開発や製造を行う会社がある。それが、白馬村に本社を構えるオーブスだ。
除菌消臭スプレーやボディーソープ、スキンケア化粧品など多岐にわたる製品を開発し、それらは東急ハンズや高島屋で店頭販売されるほか、全国各地のホテルの客室部屋置き用製品として採用されるなど人気を博している。
東京支店をふくめスタッフは14人。会社のキャッチコピーは「水で考える美しいバランスと循環」。いつもの年よりちょっと早めの冬将軍が到来した、白馬村の本社を訪ねた。
美しい北アルプスのふもと、白馬村に本社と研究拠点をかまえるオーブス。自然豊かなこの地で、化粧品をはじめさまざまな製品の開発を行っている。
「私たちの製品の原点は、白馬の良い水です」
営業開発部のチームリーダー横木將人さんが手にするのは、「イチオシ製品」という、こども向けスキンケアローション「ばぶぶ」と、自然由来の除菌消臭スプレー「ユーカリプタススプレー」。
「とくにこれからは乾燥の季節。アレルギー・アトピーでお困りの赤ちゃんにも、肌に負担をかけない、安心して使える製品を開発したい...と思って作り上げました」という子ども向けスキンケア製品。クマザサの有効成分を水で抽出したのがポイントだ。こどもだけでなく大人からのニーズにこたえ、「ややあっさりして、その分浸透力を増している、パパママ向け製品も開発しました」と横木さん。細身のスプレーボトルは、足や腕、背中にも使いやすい。
「仕事に育児に、時間のないママさんパパさんがこれ1本で完結できるようになっています。なにより赤ちゃんだけでなくママパパ、おじいちゃんおばあちゃん、まわりの大人も安心して使ってもらいたい」
オーブスがこだわるのは「水」だ。
「お肌の水と普通の水、まったく違いまして、良質の天然水を求めて白馬村にたどり着きました」オーブス株式会社代表取締役岸清美さんは、自ら研究開発した原料の水を「オーブス高密度安定純水」と名付け、製品づくりの核にしている。
徳島出身の岸社長。1990年に兵庫県で創業し、その5年後には「信州の自然にほれ込み」白馬村に研究拠点を開設し、ほどなく本社も移転した。
信州の清らかな水から生まれるオーブスの商品。とくに、化粧水やボディーソープなどが人気で、全国各地に販路を拡大、売り上げを伸ばしている。
自然由来の原料を使用した除菌消臭剤「ユーカリプタススプレー」は、女性向け雑誌などでも取り上げられ、東急ハンズや高島屋で販売で販売されるなど大都市圏を中心に人気を博す。
「このユーカリプタススプレーという製品は、わずかなユーカリ精油を水だけで溶かして安定にしたという除菌消臭剤で、お掃除ができるところがポイント」と岸社長。化学剤をいっさい使わず、自然素材のみで作られている。
オーブスは、自社のアイテムを商品でなく「製品」と呼ぶ。「ものづくり」へのこだわりの証だろう。その製品は、スキンケアの基礎化粧水から、ユーカリ油を配合した石鹸、飲料水、登山やペット向けの除菌消臭スプレーなど多岐にわたる。
「農業、工業などすべての産業が集まる信州、長野県。こうした信州の企業のみなさんと一緒にものづくりをこれからもやっていきたい」という岸社長。
家庭向けのみならず工業用の化学物質対策商品も開発。さらに新製品は「水溶性切削油酸化防止剤」工場などで使われる工業油の酸化防止剤だ。下諏訪町の大和電機工業と共同開発した。
「切削油は酸化しやすく、悪臭など工場で働く方の健康障害の原因にもなりますし、かといってすぐに交換すると産業廃棄物になってしまう。新製品は、体への悪影響を防止し、環境対策やコストダウンにも繋がります」県下最大級の工業製品見本市「諏訪圏工業メッセ」でも注目を集めた。
白馬の美しい「水」を核に、美容・健康から工業・農業まで、オーブスの製品開発のフィールドは広がっていく。
オーブス株式会社
長野県北安曇郡白馬村北城1695番地1 TEL:0261-72-8177
http://www.orbs-i.co.jp/