長野県長野市
リボンマルシェ
パン屋さんなど9種類のテントハウス
あたらしいおもちゃづくりに挑戦
パン屋さん、ケーキ屋さん、看護師さんにドーナツ屋さん。こどもたちにとって憧れの店の商売を疑似体験できる「お店屋さんごっこ」のテントハウスを企画販売しているのが長野市のリボンマルシェだ。創業からまだ1年半ほどだが、地元のテレビ・ラジオや新聞で取り上げられるなど話題になっている。
今回は新しいおもちゃづくりに挑戦する長野企業と、社長の起業の想いに迫る。
誰しも幼い頃「ごっこ遊び」を体験したことがあるだろう。こどもならではの視点にたって新しいおもちゃを開発したのが、リボンマルシェの中山純社長だ。
「こどもたちが実際に立って、ここで遊べるおままごとキットです」と、中山社長。大手メーカーもしのぎを削る女の子向け玩具だが、「実際に立って遊べる」大型のものは珍しいという。
高さはおよそ1m。お祭りで見かける屋台の小型版で、コンビニやお花屋さんなど、デザインは現在全9種類、プラスチック製のパイプを屋台のカタチに組み立て、イラストがプリントされたカバーをつければ完成だ。専用の衣装や小道具などもそろえ、こどもたちは憧れの仕事になりきって遊ぶことができる。
「なりたいナ!キッズタウン」と名付けられたテントハウスを企画販売するリボンマルシェ。中山社長自身もNPO法人「日本グッド・トイ委員会」認定「おもちゃコンサルタント」の資格を持つ。キッズタウンには社長のアイデアと夢が詰まっている。
大手メーカーからも出ていないという新しい形式のおもちゃだが、どこから発想が生まれたのだろうか?
3人のこどもの父でもある中山社長。この春、小学校入学を控えた双子の娘もお店屋さんごっこが好き。娘の姿からヒントを得たという。「こどもたちにできるだけ将来いろんな可能性を体験して、その中から選んでいってほしいなと思い」商品開発に至った。
「自分もこういろんなままごとグッズとかこども向けの商品をつくるのが大好きで、それでいろいろ商品化してみました。」3児の父として、ものづくりが好きな社長として、キッズタウンには中山社長の夢が込められている。
中山社長は現在41歳。もともと長野市内の企業に勤めていたが「40歳を前にチャレンジしたい」と起業。設立から1年半、現在はデザインなど含めスタッフ4人で企画や販売を行う。
起業にはもう一つの想いがあった。「こどもたちが小さいうちは、できる限りそばにいたかった。普通の仕事だとなかなか自由にならなかったことも、自分でやってみようと思うきっかけのひとつ」と、中山社長。独立後は保育園への送り迎えもできるようになったという。
「仕事を通していろいろな人たちと話をする中でどんどん新しいアイデアが生まれる」という中山社長は、新商品の開発も積極的に進めている。たとえば、阪神タイガースとコラボした「たこ焼き屋」。球団からマスコットキャラクターの使用許諾を得て、商品販売に至った。
「普段、ままごと遊びをしない時の利用方法や、より子供部屋に置きやすいサイズ」などのご要望を受け、普段はハンガーラックや収納スペースとしても活用できる新商品も企画した。「こどもたちや親御さんからのニーズにこたえ、よりご家庭用に適したミニキッチンサイズの種類を増やしていきたい」と中山社長。さらに「海外に向けてこれからいろいろ展開していきたい」と夢は広がる。
小さな屋台は、インターネットで販売するほか保育園やショッピングモールなどこども向けイベントも開催する。
3月21日に長野市で開催された「第3回SBCこどもフェスタ2014」にも、「お店屋さんごっこ体験」のコーナーにコックの姿をした中山社長の姿があった。「こどもたちの笑顔が見られるのが、起業していちばんの喜び」と、こどもたちと触れ合う社長の姿が印象的だった。
株式会社リボンマルシェ
長野県長野市栗田16番地 伊藤ビル1F TEL:026-217-8331
http://ribbon-m.co.jp/