[サイプラススペシャル]276 地元信州の果物・野菜をジュレ・ジャム・ドライフルーツに 素材の良さをそのまま生かして加工

長野県長野市

NPO法人 信州・川中島平ファクトリー

「川中島白桃」を生んだ川中島地域は、ほかにもりんごなどの果実栽培が盛んだ。しかし後継者不足などもあり、その出荷量は徐々に減少している。この状況を打開するために作られたのが、NPO法人「信州・川中島平ファクトリー」。果樹農家が栽培した果実や野菜をジュレ、ジャム、ドライフルーツに加工することで、信州ブランドのイメージアップと果樹農家のサポートを目指す。

取材後記

信州ブランドの素晴らしさをアピール

「長野県の良さをPRするとともに、果物栽培で生計が立てられる環境を作ることで地元の居住者を増やしたい。」と語るのは、宮崎由紀美さん。地域資源である川中島白桃を守るために、地元の農家が中心となって立ち上げたNPO法人「信州・川中島平ファクトリー」の専務理事を務めている。川中島白桃のブランド力向上を目的に設立し、ジュレなどに加工して販売する取り組みを4年前から続けている。


果物の良さをそのままに加工

現在は川中島白桃以外にも、様々な果物をジュレやジャム・ドライフルーツに加工している。加工は地元メーカーに委託しているが、商品の企画・販売戦略は自らが行っている。原料は全て地元産のものを使用していて、素材の良さを生かして生の果物に近い状態に加工。地元長野県産であることは勿論、農家が商品に適した状態を機で確認し収穫した原料に使用している。最近では減農薬や有機肥料で育てたこだわりの果物も使用し更なるブランド強化を目指す。

原料の生産者が自ら運営

原料となる果物を提供するのはNPO法人の会員を中心とする地元の果樹農家。農家証明を取得した『生産者の顔が見える』新鮮で質の高い原料が惜しみなく使われている。自分の作った果物を加工しているため、自信をもっておすすめできるというわけだ。生の果物に比べて日持ちがするため、お土産などとしての販売は勿論農家自身が収穫期以外のご進物として使っているケースも多い。


野菜などの新製品も開発

今までは果物がメインだったが、同じく信州産の野菜を原料に使う取り組みも始めた。好評を得た第一弾の銀杏ジュレに続くものが、飯山特産の人参「スノーキャロット」を加工したこのジュレ。果物も川中島白桃以外にも、シナノゴールドなどのりんごや、ナガノパープルやブルーベリーなど、地域の特産品をそのまま商品名にしたジュレ・ジャム・ドライフルーツも多い。

後継者の育成や地域ブランド保護も

一番のセールスポイントは「原料は100%長野県産」へのこだわりと、「農家が自分たちの作った品質の高い果実を提供」していること。素材の良さをそのまま生かすため、添加物は必要最低限のものしか使われていないという。優れた長野県産ブランドの果実や野菜を、全国から指名買いしてもらえるようになるため、県内外でのブース出展によるPRにも積極的に取り組んでいる。

【取材日:2014年5月22日】

企業データ

NPO法人 信州・川中島平ファクトリー
長野県長野市里島76-2 TEL:026-293-3600
http://npo-skdf.com/