長野県松川村
デラ工房
そのデザイン性の高さで、憧れる方が多いヨーロッパ調の家具。そのヨーロッパデザインに実用性を兼ね備えたオリジナル家具を製作しているのが、松川村にあるデラ工房だ。水道設備工事に携わった過去の経験を活かしたキッチンや、住まい全体のトータルコーディネイトも得意としている。家具だけでなく、木のぬくもりを活かしたスピーカー作りもしている。
「長年培ったクラシックのディテールを加味しながらお客さんが要望する家具やキッチンを作っています」と語る、社長の小野寺俊一さん。小野寺さんはギター製造会社に勤務していた頃から、素材としての木の素晴らしさを実感していた。その後水道設備工事の仕事を経て、1997年にデラ工房を創設。水道工事の経験を生かしたオーダーキッチンを手始めに、オリジナル家具やリフォームへとその領域を広げていった。
池田町にある工場は、社名の通り「工房」にふさわしい空間だ。ヨーロッパ調のデザインを基調にしているものの、そこに実用性を兼ね備えたこだわりの家具を作っている。仕上げの鉋がけやヤスリがけなどは、ほとんどが手作業だ。原材料として主に使用されているのは、ハードウッドと呼ばれる広葉樹の無垢材。年月を重ねるごとに風合いの出る素材だという。
家具以外のもう一つの主力製品が、この木製スピーカー。3~4年前から製造を委託されていて、既に1000台以上を製造している。1940年代に流行したビンテージもののスピーカーなど、様々な形状のものを一台一台手作業で仕上げている。以前楽器製造にも携わった経験のある小野寺社長は、楽器と同じようにスピーカーなどのオーディオ機器にも木のぬくもりが必要だという。
デラ工房の特徴は、キッチンや家具の製造だけではなく住まいの空間全体をコーディネイトすること。キッチンや家具に合わせて、それに合うカーテンや壁紙に付け替えるなど、部屋全体の一体感を出すことにこだわりを見せる。施主さんと何回も相談して作り上げていくため、長いものでは1ヶ月近く要することもあるという。家具単体はインターネットで県外からの発注も多いが、キッチンを含めた住空間づくりは地元を中心に行っている。
新たな作品として取り組んでいるのが、この木製のLEDライト。デザインにも工夫を凝らしているほか、今までにない大量生産にも挑戦したいという。その際には他の長野県内の木工業者と共同して、「メイド・イン・長野」の製品として世に出したいと願っているという。見えない所にも伝統技術を生かしながら、現代的なアプローチで世界に一つしかないオーダーメイド家具を製造している。
有限会社デラ工房
長野県北安曇郡松川村4302-15 TEL:0261-62-9003
http://derakoubou.com/