[サイプラススペシャル]291 夜間・休日も発注を受ける「コンビニ工場」 精密プレス部品の試作に特化

長野県豊丘村

クロダ精機

豊丘村にあるクロダ精機は、全国でも数少ない精密プレス部品の試作に特化したものづくり企業。取引先からの見積依頼に「4時間以内に答える」ことを決めているほか、短納期を実現するために早朝から深夜・休日に至るまで発注を受ける体制を整えている。コンセプトはズバリ「コンビニ工場」。勿論ただ早いだけではなく、高い技術力との両立を目指す努力も怠らない。

取材後記

生き残るために大量生産から試作に転換

山本社長

「我が社のモットーは、スピードと確かな技術です。」と語るのは、3代目社長の山本学さん。1970年の創業当時は大手メーカーの金型部品を量産していたクロダ精機だが、1980年代後半に金型生産が海外にシフトするようになった時、量産を捨てて試作に特化することを決断。およそ10年の歳月をかけて、試作専門工場としての今日の業態を作り上げた。


夜間・休日も注文に対応

そんなクロダ精機が掲げる企業姿勢が、「コンビニ工場」。取引先が欲しいと願うものをいち早く手元に届けるために、早朝から深夜は勿論休日も取引先からのオーダーを受ける。試作品だけに難しい加工のものが多いが、そこにチャレンジする姿勢を貫いてきた。また業態の転換にあたっては、社員やその家族の理解が欠かせなかったという。

工場内/加工風景

見積への返答は「4時間以内」

短納期を実現するためのもう一つの取り組みが、「見積依頼に対して4時間以内に返答すること」。早く返答すればするほど、取引先への短納期を実現できるというまさに「顧客目線」の姿勢の表れだ。余程のことがない限りは断らず、間髪を入れずに送られてきた図面を基に試作品の製造に取り組んでいる。

事務所/パソコン端末

技術者育成にも力を入れる

相談

スピードだけではなく技術も向上させるために、社員の育成にも余念がない。入社して一定の期間を終えた際、全員に技能検定へのチャレンジを義務付けている。現在まで挑戦した全ての社員が合格している。長野県の表彰制度においても多くの社員が表彰を受けていて、高度な技能の伝承が好循環を生んでいる。


日本のものづくりを支える存在に

山本社長のモットーは、「日本のものづくりは世界の幸せづくり」。ものづくりに対する熱い想いが、企業理念であり経営理念だ。地元の飯田地域が一丸となって取り組んでいる航空宇宙産業振興団体「エアロスペース飯田」にも深く関わっている。高精度の試作部品を短期で納品することで、日本のものづくりに貢献する企業だ。

YES!

【取材日:2014年08月26日】

企業データ

クロダ精機株式会社
長野県下伊那郡豊丘村神稲9268-1 TEL:0265-35-1101
http://www.kurodaseiki.co.jp/