待望の新工場完成

飯田市街地の一角に新たに作られた、鉄筋二階建ての新工場。南信州・飯田産業センターが、航空宇宙産業の部品加工一貫体制を構築するために建設した。飯田・下伊那地域の３８社が参加する「飯田航空宇宙プロジェクト」の活動拠点となる工場だ。全ての設備が整うまでにはもう少し時間がかかるが、一部の設備は既に稼働を始めている。

組織を牽引するプロジェクトマネージャー

２００６年に立ち上げた「飯田航空宇宙プロジェクト」。発足以来まとめ役となってこのプロジェクトを牽引してきたのが、プロジェクトマネージャーの松島信雄さんだ。自ら海外の航空フェアに出向いて顧客と商談するなど、精力的に活動している。その甲斐あってボーイング社の機体部品を受注するなどの実績を上げている。

企業連携で新産業育成を

新工場には加熱と冷却で金属の強度を高める熱処理棟や、部品を壊さずに強度や傷の有無を調べる「非破壊検査」など、最新の設備が整っている。今まで中京圏に限られていた「航空宇宙特区」の対象地域に長野県が加わったことも、このプロジェクトにとって大きな追い風となっている。地域に航空宇宙産業を根付かせるために、拠点工場を中心とした更なる取り組みが始まった。