[サイプラススペシャル]327 脱臭除菌機や木炭暖房機を開発 自社の大型板金加工技術を活用

長野県中野市

山岸工業

山岸工業は1980年の創業以降、プレス加工から精密板金を経て設備板金へとその軸足を移していった。現在は大型板金加工を主業とする一方で、脱臭除菌機や木炭暖房機などのオリジナル製品を開発製造している。

取材後記

オリジナル製品を生み出す

山岸会長山岸工業の得意分野は、大型板金加工技術。大型機械のカバーや食品関係装置などを、県内外の取引先から受注している。ただ受注生産だけでは自分たちで生産計画を組むことが出来ないため、自社ブランド製品の開発製造にも積極的に取り組んでいる。開発の中心になっているのは創業者でもある山岸利明会長で、他にない製品を開発している。

様々な用途で使われる脱臭機

その一つがこの脱臭除菌機「キルキンダッシュ」。300度の高温で消臭するのが特徴で、小型のうえにメンテナンスがほとんどかからないため、利用者からは好評だ。高温で処理した熱風を冷却する熱交換装置の開発に最も苦労したという。また大学との共同研究で、医療用のホルマリン脱臭機も開発した。

脱臭除菌機 医療用脱臭機

長期間使用可能な木炭暖房機

こちらは「BERAHOKKA」と名付けられた、木炭暖房機。東日本大震災の際屋外で火にあたる被災者を見て、「屋内で長期に使える暖房機」の開発を思い立った。1日に1~2㎏の木炭を燃やすもので、最長で100日間という長期間の燃焼が可能な暖房機だ。この秋には市場に投入する予定だという。

木炭暖房機

得意分野は大型板金加工

自社製品の開発のベースとなっているのが、長年培ってきた板金加工技術と山岸会長の経験だ。また開発の際に大切にしているのは、「人の意見を聞く」ということ。連携する大学や地元の研究機関などから集めた情報を基に、実験を重ねることで新たな製品を生み出している。取引先のニーズに合わせて、サイズや仕様を変えることも可能だ。

大型機械 溶接

地域のニーズにも応える

山岸工業が本社を置く中野市は、全国有数のエノキダケ生産地。このエノキダケを乾燥して二次利用する装置を、現在開発している。「人に優しく安全なものを作ること」を何よりも大事にしているという山岸会長。製品開発を軌道に乗せて、次世代にバトンタッチすることが当面の目標だ。

YES!

【取材日:2015年6月2日】

企業データ

株式会社山岸工業
〒383-0002中野市田上100 TEL 0269-26-8704
http://www.yama-tec.jp