[サイプラススペシャル]329 陶器調の風合いを生かした「匠」シリーズを開発 「Shinca」ブランドのプラスチック容器を製造

長野県長野市

信濃化学工業

1948年の創業以来、プラスチック成形一筋に歩んできた信濃化学工業。戦後当初はまだ珍しかったプラスチック製の食器をいち早く製造した企業としても知られている。特に学校給食や病院などの業務用食器分野においては、国内トップクラスだ。新たに開発した「匠」シリーズは、陶器調の風合いを生かした今までにない製品だ。

取材後記

プラスチック食器をいち早く製造

s-kagaku-photo01.jpg信濃化学工業の製造するメラミン食器は、「Shinca」という自社ブランド。病院・学校などの施設などの業務用や、レストランなどで幅広く使用されている。「今回胸を張ってご紹介できる新製品を開発いたしました」という小野勝彦社長が自信を持って世に送り出した商品が、陶器調シリーズの「匠」だ。

新たに開発した「匠」シリーズ

何処から見ても陶器にしか見えないこの器が、メラミン食器「匠」。陶芸家が作った実際の作品を三次元測定機で測定し、そのデータを三次元加工データに変更し、このデータを基に製作された金型を用いて成形加工するというものだ。見た目は素朴な風合いそのものだが、コンピューター処理や金型技術など最先端の処理技術が凝縮されている。

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製造だけでなく企画・販売も

「匠」と名付けられたこのシリーズをはじめ、電子レンジにも対応した「凛」シリーズなど、新たな多機能食器を生み出し続けている信濃化学工業。製造部門だけではなく販売部門も持つことが、大きな特徴だ。販売部門がこの匠シリーズ製品のメリットをPRすることで、シェアを更に伸ばす原動力となっている。

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精密機械部品、森林関連商品も製造

s-kagaku-photo01.jpgプラスチック食器製造が売り上げの半分以上を占める信濃化学工業だが、この他にプラスチック精密部品成形と、小野社長が社長就任後はじめた森林事業関連商品製造も行っている。これら3つの部門をバランス良く組み合わせることで、企業としての体質強化を図ってきた。どの分野でもオリジナリティに優れた商品を開発していて、企業としての存在感を放っている。

プラスチック成形を極める

「匠」シリーズは陶磁器や漆器などの器を再現するのではなく、それらを超える商品を目指して開発されたという。軽く割れづらいメラミン食器の特徴を活かしつつ、見た目にも高級感を持たせるという利便性とデザイン性を両立することに成功したこのシリーズ。企画開発から製造販売まで全社一丸となった自信作で、長野の地からオリジナルの「食器文化」を発信している。

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【取材日:2015年6月9日】

企業データ

信濃化学工業株式会社
〒381-0045長野市桐原1-2-12 TEL:026-243-1115
http://www.shinano-kagaku.co.jp