[サイプラススペシャル]338 電解次亜水生成装置などを開発 自社ブランド製品で更なる成長を

長野県東御市

コトヒラ工業

板金・切削などを得意としていて、ユニットバスのパネル製造では国内トップクラスの生産量を誇る東御市のコトヒラ工業。その一方で自社ブランド製品の開発にも意欲的だ。食材を洗浄する電解次亜水の生成装置や、エアシャワー・脱臭機など様々な製品を開発している。自社開発製品について、手塚久仁彦専務に話を伺った。

取材後記

半世紀以上に渡ってオリジナル製品を製造

1945年に設立して今年で70周年を迎えたコトヒラ工業。昭和40年代から製造を開始したユニットバスパネルが現在の主力製品だが、その一方で数多くのオリジナル製品を世に送り出してきた。半世紀近く製造しているスタンドやロッカーなどのスキー関連製品をはじめ、南極基地にも採用されているバイオトイレなどの衛生関連製品など、その分野は多岐に渡っている。

バイオトイレ 集塵機

様々な製品をラインナップ

現在本社内にあるショールームには、自社で開発したオリジナル製品が展示されている。後付が可能なポータブルタイプのエアシャワーや、長靴の洗浄・除菌装置、脱臭機や集塵機など製造現場で使用される衛生関係の製品のほか、最近ではLED照明のスタンドも製造している。

ショールーム エアシャワー

現在最も力を入れる「電解次亜水」生成装置

近年開発に力を入れているのが、電解次亜水の生成装置。「電解次亜水」とは塩と電気を使って作られる洗浄水で、優れた除菌力がある弱アルカリ性水。野菜や果物などは勿論、調理器具や手指なども薬を使わずに洗浄することが出来る。食品工場用の大型のものから、厨房や家庭の台所用の小型のものまでラインナップされている。

生成装置 蛇口アップ

「お客様の声」を大切に

製品開発の秘訣を伺ったところ、手塚久仁彦専務からこんな答えが帰ってきた。「ヒット商品を作ろうとは考えていない。大手が手を出さないような隙間を狙って製品開発をしている」。その際最も大切にしているのが、お客様の声。「こんなものがあったらいい」「こんなものが出来ないか」という意見をヒントに、手探りの状態から企画・開発に着手して製品化に結び付けている。

製造現場

新たな柱に

15年前から本格的にスタートして、ここ数年で軌道に乗り始めてきたオリジナル製品。現在は大半を受注生産が占めるため全体売り上げの数%だが、今後は徐々に比率を増やして売り上げの均等化を図っていきたいという。今年設立70周年を迎えたコトヒラ工業。今後は航空分野などにも進出して、更なる「コトヒラブランド」の浸透と拡大を目指す。

集合写真

過去の取材内容はこちら
https://saiplus.jp/special/2008/07/03.php

【取材日:2015年8月24日】

企業データ

コトヒラ工業株式会社
〒389-0512東御市滋野1320 ℡0268-63-0001
http://www.kotohira.biz/