長野県富士見町
MH audio
平成25年、MH audioの代表を務める星野まさるさんは、地元の有力メーカーのサラリーマン生活に終止符をうち、「小さくても本当に素晴らしい音のオーディオづくり」を目指して起業した。
富士見町に住宅を兼ねた事務所があり、ここが製造現場になっている。
大企業でのモノづくりと違って、全体を視野に入れてのモノづくりには魅力があるという。
アンプに使用されている半導体部品などは仕入れているが、それ以外の基板や機械の設計、木工や組立など自分一人で製造をしている。
もちろん高い技術を持つ地元企業や専門家の協力があってこそ可能なモノづくりだと言う。小さく作るには実は思ったよりも様々な工夫と手間が必要なのだそうだ。
現在製造している主な製品は、商品名「WAON(和音)」のスピーカー、超小型のオーディオアンプ「DA-1」、ヘッドフォンアンプ「HA-1、HA-11」など3カテゴリーだ。
通常は大きいほうが良いとされるスピーカーやアンプだが、今までの経験と最新の技術を活かして独特の手法で設計製作することで、星野代表は最少のサイズでも音質に優れたオーディオの開発に成功した。
スピーカー「WAON」はCDジャケットとほぼ同じサイズ、アンプ「DA-1」は手のひらに乗るサイズ、どこにでも調和するシンプルで小型なこのセットからリアルさと立体感のある音楽を再生する。
「シンプルで小型だが良い音が出る」「生活空間に調和するデザインで本格的な音楽再生をする」と評判のオーディオ製品は現在、個人の家庭でも使用されているが、法人業務用としてもその価値を発揮し評価を得ている。
地元酒造メーカーのショップ「セラ真澄」の店内や、六本木の「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」のBook&Caféのフロアーなどの店内音響にも採用され「音がクリアーだが柔らかい響きがある」「音が崩れないで遠くまで届く」などの評価を得ている。
ヘッドフォンアンプは7~8年前まではメーカーも少なく、MH audioは国産の草分けだった。現在は大手メーカーも参入して市場が大きくなっている。ヘッドホンやイヤホンもいいが、「できれば、スピーカーでリラックスして音楽を楽しんでもらいたい」と星野さんは言う。
MH audioの製品を視聴できるのは地元では、諏訪のガラスの里「SUWAプレミアムショップ」、首都圏では二子玉川の「蔦屋家電」、渋谷の「東急百貨店本店」、六本木の「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」などがある。
個人向けではないが企業や大学、自動車メーカー向けの音響研究用機材などのカスタム品の製作も受注している。
今後については、車も静かになってきているので、それに対応したオーディオ製品づくりにも挑戦したいという。
"小さくても良い音が出る"オーディオづくりを通じて、音楽と生活の快適な調和を目指すMH audioの今後に目が離せない。
MH audio エムエイチオーディオ
〒399-0213 長野県諏訪郡富士見町乙事5697-2 TEL:090-8329-4230
http://www.mh-audio.com/