[サイプラススペシャル]365 コンピュータで物質の動きをシミュレーション 信州大学工学部機械システム工学科 吉野・鈴木研究室

長野県長野市

信州大学工学部機械システム工学科 吉野正人教授 鈴木康祐助教

液体や気体などミクロの世界の物質の動きを研究
蝶の羽ばたきやエンジン内の燃料噴射などの現象を解析

空気などの気体や水や油などの液体は、人間の目に見えない世界で様々な動きをしている。これらをコンピュータでシミュレーションしてその動きを調べているのが、吉野先生と鈴木先生の研究室。物質の強度や性能を調べるとともに、ソフトウェアの開発にもつながっている。

取材後記

物質の動きを調べてものづくりに生かす

shindai-suzuki03.jpg

「身の回りの空気や物質の移動を、コンピュータでシミュレーションしています。」という鈴木康祐助教の言葉が、この研究室の特徴を端的に言い表している。物質の動きを調べることは勿論、これらの数値計算の手法も開発して、様々なものづくりに生かす取り組みが続けられている。


混ざらない2つの液体の動きを

shindai-suzuki04.jpg

水と油のような混ざり合わない2つの液体の流れを解析するのは、学部4年の飯田峻也さん。この実験によって、化学薬品の生産性を向上させることに役立てていきたいという。


蝶の羽ばたきを研究

shindai-suzuki05.jpg

学部4年の青木崇晃さんは蝶のように飛ぶロボットを開発するために、その羽ばたきを調べている。研究の中で最も重視しているのは、実際の動きを意識すること。最適な飛び方を追究するために、翼の重量や羽ばたきの速度などを変えた様々なパターンをシミュレーションしている。


エンジン内の液体同士の衝突

水滴を画面上で衝突させてその動きを調べているのは、学部4年の澤田純平さん。実物の数億倍に拡大して何回も衝突させてその結果を検証する。エンジン内の燃料噴射や雲の出来る過程の解析に役立てる実験だ。

shindai-suzuki06.jpg

更に社会に役立つ探究を

吉野正人教授の教育方針は「基礎をしっかり身につけて物事の本質を見抜ける人材を育てる」こと。過去の卒業生たちは、自動車・電機・医療などの様々な分野に巣立っている。物質の流れは複雑でまだまだ未知の部分が多いが、学生たちは自分たちのアイデアを駆使してそれらを解明しようと常に努力している。

shindai-suzuki07.jpg

【取材日:2016年2月17日】

企業データ

(研究室のご案内)信州大学工学部機械システム工学科 吉野正人教授・鈴木康祐助教