[サイプラススペシャル]378 「機械をつくる機械」=マザーマシンをつくる 汎用機から30mを超える専用機まで!

長野県茅野市

東洋精機工業

つくっているのは「自動で部品をつくる機械」
日本のものづくりを支えるマザーマシン

「つくっているのは『自動で部品をつくる機械』です」
自動車やIT機器に至るまで、ものづくりに欠かせないのが、自動で加工や組み立てを行う機械。そんな「機械を作る機械」は「マザーマシン」とも呼ばれています。
「YES!ものづくり」今回は、長野県のものづくりの集積地、諏訪地域・茅野市の東洋精機工業をご紹介します。東洋精機工業はまさに、マザーマシン、まさに日本のものづくりを支える工作機械の開発と生産を行っています。

「汎用機」と「専用機」両方できる!が一番の強み

FAのTOYOSEK

7年ごとに一度の「御柱祭」で盛り上がった、長野県諏訪地域。巨大な柱が街中を練り歩く「里曳き(さとびき)」の行われた街道沿いに東洋精機工業の本社工場があります。
「FAのTOYOSEK」と書かれた大きな看板が目印。FA(ファクトリーオートメーション)とは、コンピューター制御で部品加工ができる機械です。

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東洋精機工業が手掛けるのは、自動でものづくりを行う機械。汎用型『マシニングセンター』から、自動工作機械を何台もならべた大型専用機『トランスファーマシン』など高品質で精度の高い工作機械をつくる、ものづくり企業です。


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マシニングセンターか30m超のトランスファーマシンまで

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「汎用機械と専用機、両方つくることができるのが一番の特長です」と、小川健社長。
もともと、同じ仕様でたくさんつくる「汎用機」と、顧客の要望にあわせて一点ものをつくる「専用機」はそれぞれつくる会社が分かれています。
東洋精機工業は、標準的な装備の汎用機から、ものづくりのニーズにあわせて特定の部品加工用に設計した専用機まで、一社で製作できます。

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「これは工場に入るライン。お客様の要望に合わせて、こういう大きな機械も造っています。」主力製品のひとつが、長さ30mにも及ぶトランスファーマシン。
自動車組み立て工場などで見られる大型機械で、ベルトコンベアで運ばれながら、自動車関連部品を自動で製造する工作機械です。
高さ2mほどの汎用のマシニングセンターから、30mを超える大型のトランスファーマシンまで、汎用機と専用機を両方つくる会社は珍しいと言います。

時代の流れにあわせて進化するものづくり

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両方やっているから顧客ニーズを取り込める

「私たちは、汎用機と専用機の両方をやっているので、お客様のニーズで多少のアレンジはどんどん変えていくことができる。これが一番の強みで、汎用の機械の中でも、ここはこうしてほしいというお客さんの要望があれば簡単に変えることができる」と、小川社長が言うように、両方作れることが双方の開発に役立っています。

東洋精機工業は、かつては腕時計やカメラなどの精密機器の部品を加工する機械をつくっていました。現在の主力は、自動車関連。時代の流れをつかむことで自動車関連にシフトし、業績を伸ばしてきました。

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燃料電池やEV「新しい産業をつくる機械」をつくる

「これから自動車もまた新たな変化の時代を迎えて、燃料電池車とか電気自動車になる。そういったところをよくよく、しっかり見据えて、新しい分野に大企業がいかないところを私ども中小がいかに支えていくかというところを見出して頑張っていきたいと思います」と、小川社長。
今まさに、自動車などの産業構造が大きく変わろうとする中、東洋精機工業は、新たな工作機械開発へのチャレンジは続きます。

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【取材日:2016年4月26日】

企業データ

東洋精機工業株式会社
長野県茅野市宮川2715 TEL:0266-72-4135
http://www.toyosk.com/