[サイプラススペシャル]386 優良清酒酵母「七号酵母」発見70周年 全国の過半数の酒蔵で使用

長野県諏訪市

宮坂醸造

清酒真澄で知られる宮坂醸造は1662年創業の歴史ある酒造メーカー。
今年は、昭和21年に宮坂醸造の酒蔵で発見された「七号酵母」の70周年の節目にあたり7月には講演会などの記念事業も開催されました。

取材後記

近代的な日本酒造りの基礎を支える「七号酵母」

日本酒は材料である米を酵母菌で発酵させて造る酒で酵母菌は日本酒づくりにかかせない大事なものです。

宮坂直孝社長によれば、良い酒を造る酵母菌は10種類にも満たない数で特に「七号酵母」は近代的な日本酒造りのベースを構築しており「安全に製造できる」、「香りと味のバランスが良い」、「食中酒」に向いているなどが特徴となっています。

masumi02-03.jpg

全国の酒造メーカーの過半数が使用

清酒真澄は昭和21年の全国清酒鑑評会で上位3位までを独占する快挙を成し遂げました。何かもっと香りの良い酵母菌がないか探していた当時の国の醸造試験所の山田正一博士は真澄の酒蔵に入り"もろみ"を試験所に持ち帰って発見したのが「7号酵母」でした。

酵母菌は発見された順に番号がついており「7号酵母」は美味しい酒づくりにはかかせない酵母として全国に普及し現在では酒造メーカーの5割から6割で使用されています。

masumi02-04.jpg

傑出した日本酒を目指す

宮坂直孝社長によれば、「日本酒は地方の中堅メーカーが品質などを磨いた努力と世界的な日本食ブームも追い風となって復活しており将来は明るくなっている。今後も清酒真澄の品質を磨き傑出した酒づくりをして日本で10の指に入る名酒を目指したい」と言います。

masumi02-05.jpg

世界に向けて

宮坂醸造の酒造りの基本である「料理を引き立てる酒」、「家族団らんの食卓をつくる酒」の位置づけを今後も大切にしながら、地元の4銘柄の酒造メーカーとも連携をして諏訪エリアの恵まれた「水」、「冬の気候の厳しさ」に諏訪人のものづくりへのこだわりを活かし世界に向けて日本酒造りをします。

masumi02-06.jpg masumi02-07.jpg

【取材日:2016年7月13日】

企業データ

宮坂醸造株式会社
長野県諏訪市元町1-16 TEL:0266-52-6161
http://www.masumi.co.jp/