[サイプラススペシャル]413 信州大学工学部物質化学科 錦織広昌教授 汚水などの環境浄化に利用

長野県長野市

信州大学工学部物質化学科 錦織広昌教授

昨年の学部再編で新たに物質化学科になった錦織研究室。主な研究テーマは環境に負荷をかけない方法で水、大気、土壌などの浄化を行うための技術の研究です。
特に太陽光を利用した光触媒で汚水や排水などの環境浄化を行う際に使用する酸化チタンの触媒の機能を高める天然の鉱物を突き止め注目を集めています。

取材後記

アロフェン

光触媒には通常、酸化チタンが使われています。
錦織研究室はこの光触媒の機能を更に高めるための研究を中心的に行ってきました。その結果、"粘土鉱物"のアロフェンが触媒の機能を高める天然の物質であることを突き止めました。
アロフェンが光触媒に付加されると分子の吸収を強くし光触媒の機能が高まる仕組みになっています。
しかも、アロフェンを含んだ粘土は一般の市民も購入が可能となっています。

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光燃料電池

また、光触媒の過程で発生する電気を「光燃料電池」として蓄え再利用することも可能になりました。太陽光の光触媒が有害物質の処理、浄化に役立つだけでなく発電まで可能になる画期的な研究となっています。

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山小屋での利用

今後は、山小屋の汚水を浄化する際にアロフェンを使った酸化チタンの光触媒が利用されれば汚水を分解するだけでなくその際に発生する電気エネルギーを蓄電して利用することも可能になると期待されています。

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【取材日:2017年01月18日】

企業データ

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