長野県長野市
星光技研
加湿器を応用して生まれた新商品
目指すは超音波噴霧の「駆け込み寺」
「超音波噴霧器ミストの力でオンリーワンを目指します」
病院や住宅などで利用されている「加湿器」。この技術を利用した、「映像スクリーン」が誕生しました。
長野県のすごいものづくりを紹介する「YESものづくり」今回は、長野市の星光技研(せいこうぎけん)を紹介します。
創業から45年を迎える星光技研。超音波霧化(むか)技術で水を霧状に変化させた製品を製造・販売しています。
新たに開発した「映像スクリーン」。なんと「霧」で投影用スクリーンをつくってしまいました。「ミストスクリーン」と名付けられた新商品は、人工的に発生させた「霧」にプロジェクターで映像を投射できます。
代表取締役専務 坂本真悟さん「もともとこの技術は、『超音波加湿器』なんです。」家庭でも一般的な「超音波加湿器」は、非常に細かい振動(超音波)で水を霧状にして空気中に飛ばします。加湿器から吹き出す白い煙のようなものは、水蒸気や湯気ではなく、細かい水の粒です。(だから触っても熱くありません)この霧をスクリーンにしてしまったのが、この新製品のすごいところです。
「超音波加湿器を加湿器として売っていては商売になりません。そこで加湿器じゃない用途で開発しました。」と、坂本専務。今までなかった新商品について「ウエディングやイベント会場など様々なところで使ってもらえるのでは」とビジネス化に期待をよせています。
製品化まで1年半。霧を制御してスクリーンにするため、試行錯誤がありました。
星光技研製造修理部の米村浩さん「霧が広がってしまって高く上がらなかったんですけれども、それをサンドイッチすることで高く上がることに成功しました。」そのまま噴霧してしまうと拡散してしまうため、前後に風をつくって霧をサンドイッチすることでスクリーン状にすることに成功したと言います。
米村さん「サンドイッチする風の強さなども調整しました。どうすればうまく上がるかがわかってきたので、より高くまで霧を上げられるように、また装置は小型化できるように、開発を続けていこうと思います。」
加湿や噴霧だけではない、新たな「霧の演出」。ミストスクリーンは、可能性あるエンターテインメント製品です。
坂本専務「現在はまだ、一般的な液晶テレビでは36インチ程度しかありません。これからはさらに大型化し60インチ相当になるようにラインナップを増やしていきたい。」さらに、星光技研の夢は広がります。「もっと吹き上げる技術を強化できれば、実際の人物と同じサイズで投影も出来るんじゃないかな、と。そうすれば、また面白い使い方が出来ると思います。」
「超音波霧化の『駆け込み寺』としてこれかも貢献していきたいです。」デジタルサイネイジやプロジェクションマッピングが一般的になった昨今、メイドイン長野の新商品「ミストスクリーン」は、映像表現の可能性を広げ、新たなビジネスを生み出しそうな予感がします。
株式会社 星光技研
〒381-0012 長野県長野市柳原1573 TEL:026-243-4066
http://www.seiko-giken.jp/