[サイプラススペシャル]454 現場で培った「少量多品種」自社ブランド NC旋盤に材料を着脱する自動化ロボット

長野県飯田市

三和ロボティクス

「NAGANOものづくりエクセレンス」認定
ロボシステム「NEXSRT(ネクサート)」

「私たちがつくった自動化ロボット」
「現場で、役立っています」

NC旋盤に自動で材料を脱着するロボットアーム。もともと人の手で行われる工程を自動化したロボシステムは、NAGANOものづくりエクセレンスに認定されました。 「YES!ものづくり」今回は、三和ロボティクスをご紹介します。

部品加工メーカーの新たな挑戦

売上メインは金属の精密切削加工

飯田市の三和ロボティクスは、精密部品の加工メーカー。自動車や航空機、エネルギー関連などに使われる金属部品の切削加工が得意で、売上10億円の多くを部品製造部門が占めています。

sanwa-robotics_sec01.jpg

実績ある部品加工会社の新たな挑戦が、自社ブランドのロボットシステムです。複合旋盤やNC旋盤に部品の「元」になる金属の材料をセットし、加工が終わったら外す。人間が手作業でやらなくてはならない作業を自動でこなすスグレモノのロボットです。

sanwa-robotics_sec02.jpg

もう自動化しかなかった

沢宏宣社長に、自動化ロボット開発の理由をうかがいました。
「僕らの生産は多品種。今までは人の手に頼った生産でした。社員もみんな頑張っているが、どうしても追いつけない。もう自動化しかなかった」

sanwa-robotics_sec03.jpg

少量多品種の部品加工を手掛ける三和ロボティクス。現場の社員は、1人で旋盤などの加工機械を3台ほど受け持ち、人の手で脱着しています。1台ごと加工時間が異なるため社員は担当する機械の間を動き回るだけでなく脱着そのものにも時間がかかっていました。沢社長が「自動化しかなかった」と語る背景には、こうした現場の姿があったのです。

sanwa-robotics_sec04.jpg


自社ブランド自動化ロボ「NEXSRT(ネクサート)」

多品種小ロットに対応

製品開発部の松村誠さんに、開発の苦労をうかがいました。
「ツメの交換をしないでサイズを変えられる多品種小ロットに対応できるところです」

sanwa-robotics_sec05.jpg

少量多品種生産の場合、材料の大きさやカタチがそれぞれ異なり、着脱には複雑な作業が必要になるため、ロボットによる自動化が進んでいませんでした。

社内からの公募で、「NEXSRT(ネクサート)」と名付けられた自動化ロボシステム。
次の時代=NEXT(ネクスト)三和ロボティクス=SRT をあわせたネーミングです。

sanwa-robotics_sec06.jpg

年に1機種、新商品を

3年前にロボットシステムの原型を開発し、自社工場の現場で実際に使いながら、より精度を高めていきました。「実際に現場のニーズでつくったシステムなので通常のオートメーション設備のように固くなく、柔軟性をもっているのが特長」と、沢社長。多品種少量生産に対応できる自信作です。

sanwa-robotics_sec07.jpg

発売された自社ブランドのロボシステム【NEXSRT】「商品のリリース計画は、向こう5年間やっています。年に1機種くらい出していけたらいい」

sanwa-robotics_sec08.jpg

部品加工から自社ブランドのシステム開発へ。三和ロボティクスは新たなものづくり企業へと挑戦を続けます。

sanwa-robotics_yes.jpg

【取材日:2017年11月09日】

企業データ

三和ロボティクス株式会社
〒399-2431 長野県飯田市川路7576-3 TEL:0265-48-6555
http://sanwa-robotics.co.jp/