[サイプラススペシャル]455 ミクロン単位の小さなバネ世界トップ企業 祝!ものづくり大賞NAGANO2017グランプリ

長野県諏訪市

ミクロ発條

ミクロン単位の小さなものづくり
髪の毛よりさらに小さな超微細バネ

「ミクロン単位の小さなバネつくっています!」
髪の毛よりも小さなバネ。
ものづくり大賞NAGANO2017の最高賞【グランプリ】を受賞した企業がつくっています。
「YES!ものづくり」今回は超微細バネを製造するミクロ発條をご紹介します。

髪の毛より細いバネをつくる

針のようにしか見えないけれど実は「バネ」

発條(はつじょう)とは、バネのこと。
長野県諏訪市にあるミクロ発條は、社名のとおり創業以来、卓越した技術で精密加工バネを製造しています。
ただし、ミクロ発條が手掛けるのは、普通のバネではありません。
見た目には針の先端のようにしか見えない、非常に小さなバネをつくるのが得意で、電子部品、携帯電話、自動車部品など様々な分野で使われています。

極小!0.015mm

たとえば、半導体の検査機器に使われる超微細なバネ。
ミクロ発條の優れた技術の一つは髪の毛よりも細いバネを量産化できることです。
そのサイズ、実に外径72ミクロン 線径15ミクロン。1ミクロンは0.001mmですから、その「極小」が想像できるでしょう。



どこにも負けない「小さい」ものをつくりたい

世界シェア50%

代表取締役社長小島拓也さんに会社の「こだわり」を伺いました。
「世界で、どこよりも負けないくらい『小さなものをつくる』ということに、我々はまずこだわっています。」

ミクロ発條の代名詞とも言えるのがボールペンのペン先のボールを支えるバネです。
ボールペンのバネと言っても、分解すると出てくる芯を押し出すバネではありません。
ボールペンのペン先には0.5mm程度の球が入っています。このボールを支えているのがミクロ発條のバネです。
驚くべきは、そのシェア。なんと世界シェアおよそ50%!
世界中のボールペンの2本に1本はミクロ発條のバネが使われているのです。

バネにプラスアルファ

こうした精密バネの加工技術を活かして新しい挑戦を続けるミクロ発條。
そのひとつが、医療分野への進出です。

内視鏡やカテーテルに使われるコイル。
「今はスプリングに『プラスアルファ』したものを開発しています。
現在、信州大学との共同研究も進めています。
血管内の中の治療に使う処置具の開発を地元大学といっしょにやっていますが、何とかスプリングにプラスアルファをくっつけたものですね、これから世の中に出していきたい」と、小島社長。

ボールペンのペン先から、最先端の医療機器まで、メードインナガノ、ミクロ発條の小さなバネが私たちの暮らしを支えます。

【取材日:2017年11月09日】

企業データ

株式会社ミクロ発條
〒392-0023 長野県諏訪市小和田南22番6号 TEL:0266-52-3550
http://mikuro-spring.com