[サイプラススペシャル]464 独自技術の「ロール」が好調 液晶画面など向け製造装置

長野県小諸市

株式会社大栄製作所

テレビやスマートフォンの製造現場では液晶画面に使用するフィルムへの印刷工程があります。小諸市の大栄製作所は、このフィルム搬送向け装置の「サクションロール」を手掛けています。素材のフィルムは非常に高価で小さな傷でも商品価値に影響が出るため、大栄製作所では独自の技術で傷を防止する工夫をしています。

編集後記

「サクションロール」大型に対応

daieiss04.jpg

大型の加工機械が稼働する製造工場。大栄製作所社長の塩川秀忠さんは「強みは大きいもの。長いものに特化している。国内で扱えるのは数社しかない」と話します。

大栄製作所の「サクションロール」は、搬送の際に内側から吸引する独自技術を開発し、フィルムや印刷面に接触しない構造を実現しています。

さらに印刷の幅に応じて吸引の幅を変更する可変式の技術は特許を取得していて「1年先まで受注がある」(塩川社長)というほど、好調に推移しています。

daieiss05.jpg

新型機を開発

daieiss06.jpg

フィルム吸引することでロールに接触せずに搬送するのが「サクションロール」。その逆の発想で、空気を吹き出して浮かせる構造が新型の「フローティングロール」です。

均一に浮かせるようロールの表面を工夫したのが特徴で、より高品質な加工に対応でき、すでに納入も始まっているといいます。

「メード・イン・ジャパン」のこだわり

daieiss07.jpg

大栄製作所の拠点は小諸市と福岡県の国内2か所。「大量生産をしない企業にとってはデメリットの方が多い」と塩川社長は研究開発から設計・製造まで国内生産にこだわりを持っています。海外でも表記はローマ字ではなくダイエイで通しているといいます。

「競合相手は国内外にいるが、図面を見ただけではわからないノウハウがある」(塩川社長)と開発力とメンテナンスも含めた総合サービスで、一歩先を目指しています。

daieiss08.jpg

【取材日:2018年1月22日】

企業データ

株式会社大栄製作所
〒384-0061 長野県小諸市加増868-1 TEL:0267-22-7137
http://www.daieiss.co.jp/