長野県伊那市
スワニー
ものづくり現場でも活用が進む3Dプリンターですが、この3Dプリンターで「金型」をつくり、短期間、低コストでの量産化の試作ができる会社は、それほど多くないのではないでしょうか?
「YES!ものづくり」今回は、3Dプリンターを駆使してアイデアをカタチにする、伊那市のスワニーをご紹介します。
3Dプリンターで造形した樹脂の金型で、金属の金型に比べてはるかに短期間、かつ低コストで量産材料による試作や小ロット部品の製造を可能にしたのが「デジタルモールド」とよばれるものづくり技術です。
この「デジタルモールド」を駆使して数々のオリジナル製品も送り出すのが伊那市に本社を置くスワニーです。
設計と試作をメーンに、小ロットの生産も手掛けて大手メーカーに注目されています。
現場経験豊かな設計スタッフが、3DCキャドなどデジタルツールを駆使して、設計のイメージやデザインをスピーディーに、3Dデータとして作成します。
このデータに基づき、3Dプリンターによる造形や成形、樹脂部品の切削加工といった一連の試作品づくりを行います。
「一般的な金型を作ると100万、200万円を超えてしまうことがあるが、これであれば材料代10万、20万円の低コストでできてしまうのがメリット」と、スワニーの瀧谷信也さん。
「皆さんに喜んでいただけるのが1日でモノが出来てしまうことが素晴らしい。例えば1日目にモデリング・設計をしてしまえばデータができて、2日目には樹脂の金型ができ、成形ができて持ち帰れるというのがかなりの評価を得ている」
SBCではこども未来プロジェクトの一環として、県内の新小学校1年生に防犯ブザーを無料配布しています。4年目を迎えた今年も新1年生およそ2万人が、ろくちゃんをデザインしたブザーを手にしました。
ブザーの製造を請け負ったのは、スワニーなど伊那地域の製造業11社で作る「製造業ご当地お土産プロジェクト」です。
伊那市街地の商店街にある空きスペースを活用した「内職ワークスペース」。
ここには働く意欲のある主婦や高齢者を中心に地域の人が都合のいい時間に集まり、プロジェクトが生み出したオリジナル製品の組立を行っています。
全ての工程を地元の企業で完結させる「完全地産」のお土産をつくろうという取り組みで、雇用の場の提供と商店街活性化を目標にスタートさせました。
少数精鋭の技術者と最新のデジタルツールを強みに、スワニーは「日本で一番頼りになる製品設計企業」をめざして地域活性化と新しいものづくりに挑戦します。
「お客様から来た要望に対してお客様の予測を超えていかないと、ウチみたいな小さな会社はコスト競争になってしまう」と、代表取締役社長の橋爪良博さん。社長に就任してから8年、設計開発企業として存在感を発揮するスワニーの強みをこう分析します。
「お客様の要望を超えるのはもちろん、要望があった時の『提案力』と『実現力』というか、そこが他社よりよりもスピードとパワーはあると思っている」
次世代のものづくりを設計開発でリードしたい。橋爪社長は42歳の若さと持ち前の行動力を武器に新ビジネスの開拓に力をそそぎます。
「やっぱりお客さんは褒めてくれるし、褒められたくて仕事をしているのかなと思いますね(笑)」
有限会社スワニー
長野県伊那市富県7361 TEL:0265-73-6033
http://www.swany-ina.com/