取材後記
地元の素材を「発掘」
通常は栽培過程で廃棄される「摘果リンゴ」。マツザワは農協を通じて地元農家から買い取り、商品に利用しています。青リンゴの香りが爽やかな「りんご乙女」で、素材ごとの水分量に合わせた「焼き加減」の調整がポイントだったといいます。味覚が評価され国際審査では、10年連続で最高賞を受賞しています。摘果リンゴの有効利用に、地元農家からは「夏場の収入になる」と歓迎されているということです。
こだわりの製法
マツザワの創業は1959年(昭和34年)で、みやげ菓子の企画・製造・販売を手掛けています。1日に2万4000枚を製造する主力のクッキーは、一枚一枚手作りで仕上げます。長年、同じ製法で作り続けるのは、食感を損なわないためで、国際的な品評会で高評価を得ています。

地域との連携進める
マツザワは、地域の素材を生かした商品開発に力を入れていて「リンゴ乙女」のほか、飯田下伊那地域特産の市田柿を使用した「市田柿ミルフィーユ」も主力です。「付加価値を生み出して収益が上がる仕組みにしていきたい」と話すのは取締役の森本康雄さん。製造部門の責任者で素材を中心に地元との連携を深めながら、新たな商品開発を視野に入れます。
【取材日:2018年08年21日】