[サイプラススペシャル]514 機能性単結晶を研究 次世代への貢献目指す

長野県長野市

信州大学工学部

信州大学工学部の研究を紹介するシリーズ。2回目は電子情報システム工学科の太子敏則准教授の研究室です。ここでは、電子部品などに応用する「人工での大きな単結晶づくり」をテーマにした研究に取り組んでいます。

取材後記

研究テーマは「世の中に貢献できる単結晶づくり」

研究室の入り口で目にするのは、看板ではなく「結晶屋 太子軒」の暖簾。何か親近感を覚えてしまうこの部屋などで太子准教授が研究を進めています。研究テーマとしている単結晶とは「原子が三次元的に規則正しく並んだ固体」。研究室では、パソコンやスマートフォンの基板に使われるシリコンのほか、ゲルマニウム、酸化ガリウムなど何らかの機能を有している「機能性単結晶」をより大きく、効率的、高品質につくることを目指しています。

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実験室の炉で単結晶づくり

sec02_1.jpg 学内の実験室に設置された大きな炉。「シリコンの原料が溶けている液の状態から、学生が結晶を引っ張り上げる様子です」と太子准教授は、単結晶をつくる様子を公開してくれました。研究室によりますと、結晶をつくることを「結晶成長」と呼びます。世の中に存在しない結晶をつくり出すことも研究のテーマで、このほか、つくった結晶を電子部品に応用するための研究など、「比較的珍しい研究をしている」(太子准教授)と話します。

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産業界からも注目される研究

研究室では将来の低電力化に貢献できるという炭化ケイ素の結晶を企業と共同で研究しています。さらに宇宙航空研究開発機構(JAXA)とは、共同でシリコンゲルマニウムの結晶成長の研究を進めるなど、太子研究室には産業界と太いパイプがあります。環境を整え、手を加えないと成長しない人工の結晶。太子准教授は「手塩にかけた信州発の結晶が次世代で活用されることがこの上ない喜び。学生たちと研究を続けたい」と話しています。

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【取材日:2019年01月09日】

企業データ

信州大学工学部 電子情報システム工学科 太子研究室
〒380-8553 長野県若里4-17-1 TEL:026-269-5383
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/engineering/chair/taishi/index.html