[サイプラススペシャル]524 独自の新商品は「はんだ印刷システム」 ものづくりを支える「自動組立装置」

長野県駒ヶ根市

天竜精機

業界初の特許で「IoT時代」に対応
自社開発の「はんだ印刷システム」って?

「自動組立装置の天竜精機」
「業界初の特許技術で、IoT時代のものづくりを、支えます!」

大量の部品を高速に、高い精度で完成品にする「自動組立装置」。
天竜精機は、スマホや自動車部品用の組立マシンをつくる、長野県駒ヶ根市のものづくりメーカーです。
省力化機械開発・製造で、大手メーカーからも高い評価を得ている天竜精機が、近年力を注ぐのが、自社開発・オリジナルの「はんだ印刷システム」。いったいどんな機械なのでしょうか?

新商品「クリームはんだ印刷システム」

最新技術でIoTに対応

天竜精機開発部開発担当の名取武治さん
「今まで職人が『勘』と『経験』でやっていたところを、こちらのシステムで、特許技術でデータ化、数値で管理できるというそういうところが一番のみそです」

身の回りのあらゆるモノがインターネットにつながり情報交換できる「IoT」は、ものづくりを大きく変える可能性があります。
天竜精機があらたに開発した「クリームはんだ印刷システム」は、プリント基板に電子部品を取り付けるため「はんだ」を自動で塗る機械です。これまで職人の勘と経験によるところが大きかった「はんだ」の工程を、IoT技術で自動化し、業界で注目を集めています。

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職人さんの「勘」と「経験」をデータ化

天竜精機の新製品は、「はんだ」の粘りを計測する装置と、そのデータを送ることで基板に「はんだ」を塗る圧力や速さを最適の状態で印刷する装置の、2つがセットになっています。
「クリームはんだの『粘り具合』をデータとして収集し、これまで職人さんが、これくらいの硬さならこれくらいだなという経験や勘でやっていたものを数値データとして活用します」

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60年間の技術と経験

天竜精機は1959年の創業以来、一貫して自動化技術に取り組んでいます。
主力はスマートフォンやクルマ向けのコネクターの自動組立機の受注生産ですが、「はんだ印刷システム」などオリジナル製品を新たな事業の柱に育てたいと取り組んでいます。
自社開発を可能にしたのは、加工、組立とほぼすべての工程を社内で行う一貫生産の伝統。創業から60年間培ってきた技術と経験は強みです。

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社員の4割が設計開発

設計開発部門のスタッフは合わせて43人。自動化のニーズは多岐にわたるため、社員のおよそ4割という手厚い体制です。
設計部電気設計グループの権田直樹さん
「どういう付加価値を天竜精機としてつけられるかが重要だと思っている。例えば品質を向上させるとか、生産性を上げるとか、そういうところにどう設計部として関わっていけるのか、商品開発・用途開発できるのかが他社との差別化につながると思っております」
天竜精機が商品を納める企業・取引先の業種は幅広く、要求される製品も多種多様だからこそ、きめ細かな対応と、期待を超える付加価値が求められています。

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「天竜精機だったらやってくれるぞ」と言われたい

大手メーカーでの経験を活かす経営トップ

main04.jpg 代表取締役社長の小野賢一さん
「常に新しいものづくりに挑戦して、新しい自動機を組み立てる機会を得られるようなそういった会社、ものづくりを通して世の中に貢献できるような会社にしたいと思っています」
コンサルティング会社の仲介で後継者難にあった天竜精機のトップに就任した小野賢一社長は、日立グループの大手メーカーで幹部を務めた経験と手腕が買われて天竜精機のかじ取りを任され、今年で5年目を迎えます。

付加価値の高い仕事へ

「110人規模の会社、売上を倍にしろと言っても社員にどんどん負荷がかかる、余りそういうことはしたくはない。だから付加価値が高い仕事をとっていきたいし、お客様から天竜精機だったらやってくれるぞと言われるようにもっと力をつけていきたい」と、小野社長。

信州・駒ケ根から最先端のものづくりマシンを発信する天竜精機は、これからも付加価値の高い競争力のあるものづくりに挑戦します。

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【取材日:2019年02月21日】

企業データ

天竜精機株式会社
〒399-4321 長野県駒ヶ根市東伊那5650 TEL:0265-82-5111(代)
https://www.tenryuseiki.co.jp/