vol.152 | 2021年6月27日放送 ものづくりリーダーズトーク~仙醸 黒河内貴社長 |
~挑戦を続ける老舗酒蔵 仙醸~
伊那市高遠町の(株)仙醸を特集。創業は幕末の1866年、今年で155年となる老舗だ。仙醸は1970年代から80年代初めにかけて、近代的な酒造りや蔵人の負担軽減をねらいに、大規模な設備と機械を導入した。
しかしそのころから国内の日本酒消費量は減少、さらに消費者の嗜好も大量生産型の酒から吟醸酒など高級な酒へと移り変わっていく。そうした時代の変化に対応しながら、現在は手作りの麹室を復活させるなど蔵の個性を出す酒造りに力を入れ、海外のコンクールでも受賞するなど評価を得ている。
また、同社の特色は通年で取り組むどぶろく製造。通常、日本酒の仕込みは冬行うが、温度管理などの工夫で夏季の製造を可能にした。さらに焼酎の技術を応用し、ジンの製造にも挑戦中だ。
日本酒から甘酒、どぶろくなど、商品展開を多様化させている背景には、コメの消費が減少する中、時代に合った米由来の発酵食品を造ることで、日本の発酵食文化や米作りを未来につなげていきたいとの思いがあると、6代目の黒河内貴社長は語る。